洗顔フォームから石鹸に変えたら肌がつっぱる!これって大丈夫なの?

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美容に関心の高い人であれば、「石鹸は肌に優しい」「洗顔フォームは肌に悪い」というフレーズを一度ならず目にしたことがあるでしょう。

しかし、試しに石鹸で洗顔してみたら、

 「顔がつっぱる!」
 「洗顔フォームのときはつっぱらなかったのに…」
 「これって本当に大丈夫なの?」

などとなった人も少なくないと思います。

今回の記事ではそのような疑問を持っている人に向けて、石鹸のつっぱり感についてわかりやすく解説していきます。

石鹸がつっぱる理由とは?

実は、洗顔後のちょっとした肌のつっぱり感はただの自然現象です。

痛みを伴うようなものではなく、「なんだか肌がつっぱってるな…」程度の軽いものであれば、肌にとって無害なものですので安心してください。

軽いつっぱり感は自然現象である

洗顔後のつっぱり感はしばしば「肌が乾燥している感覚」と誤解されます。

しかし実際には、洗顔後のつっぱり感は肌の乾燥によるものではありません。むしろ、洗顔で水を吸ったばかりなので、肌の水分量は平時よりも多いくらいです。

では、なぜ肌がつっぱるのか?

それは洗顔によって皮脂を洗い流した直後だからです。

皮脂は天然のクリームであり、肌の柔軟剤です。革製品にクリームを塗り込むと柔らかくなるように、肌の表面は皮脂という油っ気があることによって柔らかさを保っています。

しかし、洗顔をすると肌の上を覆っていた皮脂膜が取り除かれます。普段は皮脂というクリームに覆われている肌が、洗顔後しばらくはクリーム無しの状態になるわけです。

このときに感じるちょっとした肌の強張りがつっぱり感の正体です。

つまり、つっぱり感は水分ではなく油分が不足しているために起きる現象なのです。

つっぱり感は自然と解消する

洗顔後の肌がつっぱるとどうしても心配になります。このまま静観していても良いものかどうか、急いで化粧水やクリームをつけないとマズいのではないか……。

しかし、洗顔後のつっぱり感は一時的なものに過ぎません。大人しく待っていれば30分ほどで肌のツッパリはなくなります。

もともと洗顔の目的は、古くなった皮脂を洗い流して肌をリセットすることにあります。そうすることで新しい皮脂を分泌させる、いわば「皮脂膜の更新作業」ですね。

新しい服に着替えるためにはいったん裸にならなければなりません。これと同じことで、皮脂膜を新品に取り替えるためには、肌の上から一時的に油分を取り払う必要があるのです。

これは洗顔の本分とすら言えるものであって、そのために起きるつっぱり感は何ら心配するようなものではないのです。

だいたい洗顔後20~30分ほどで肌全体に皮脂が染みわたり、肌は元通りの柔らかさを取り戻します。

洗顔後や入浴後のちょっとした乾燥感は自然現象です。ジックリ待てば肌が自立的に皮脂膜を再生してくれるのです。待ちましょう。
北原東一『誤解だらけのスキンケア』p36

あわてて化粧水やクリームをつける必要もありません。たったの30分ほどですから、気長に待ちましょう。

洗顔フォームがつっぱらない理由

ここまで読んできて「でも、洗顔フォームのときはつっぱらなかったよ?」と思った方も多いかと思います。

洗顔フォームのときはつっぱらなかったのに、石鹸に変えた途端につっぱり感を覚えた──こうなったとき、ほとんどの人は「石鹸のせいでつっぱったのだ」と考えます。

しかし、本当は逆なのです。洗顔フォームの方がちょっと特殊な洗顔料なだけなのです。

洗顔フォームで洗うと肌に油膜が残る

洗顔フォームだとつっぱり感を覚えないのは、洗顔フォームには多量の油分が含まれているためです。

一般的な洗顔フォームには約30~40%の油分が配合されています。一般的な固形石鹸の場合は5%ほどですから相当な違いです。

洗顔料に大量の油分が混ぜられているとどうなるか? 洗顔後の肌にうっすらと油膜が残ることになります。

すでに述べたように、つっぱり感は一時的に肌の上から油っ気がなくなるために起こります。洗顔フォームの場合、いわば“あらかじめ”洗顔料に油を混ぜておくことで、つっぱり感を感じさせないようにしているのです。

普段石鹸を使っている人が洗顔フォームを使うとビックリします。というのも、今しがた洗ったばかりなのに洗顔後の肌がヌメヌメしているからです。

しかし、洗顔フォームに慣れきった人にとってはこのヌメヌメが「標準」になっています。そのため、肌に余計なものを残さない石鹸の方が「おかしい!肌がしっとりしない!」という話になってしまうわけです。

洗顔フォームのしっとり感は余計なものである

肌に油膜が残るといっても、保湿効果はないに等しいです。

洗顔料はしっかりと洗い流さなければならないものです。「潤いを肌に残す」などと謳ってはいますが、実際にはせいぜい水で薄めに薄めたクリームのようなものが肌に残留するだけです。

どうせしばらくすれば、肌にとって最良の油分である皮脂が分泌されます。まして洗顔後に化粧水やクリームをつけるつもりでいるならば、洗顔フォームが作る中途半端な油膜は不必要であるばかりか、化粧品が浸透する上での邪魔者にしかなりません。

結論として、洗顔料は、シンプルな固形石けんがいちばんです。しっかりと汚れが落ちて、肌に余分なものが残らないからです。
吉木伸子『スキンケア基本事典』p58

洗顔料は汚れを落とすことに専念すべきです。肌に中途半端な油膜を残して偽りのしっとり感を演出するのではなく、一度肌をリセットしておいて、それから保湿がしたければクリームなり化粧水なりをつけるべきです。

保湿をするにしても、ほぼすべて洗い流してしまう洗顔料に混ぜるよりも、化粧品に任せた方が何倍も効率がいいのは誰にでもわかります。洗顔は洗顔、保湿は保湿と、きちんと役割分担をしましょう。

まとめ

洗顔フォームから石鹸に変えるとなぜ肌のつっぱりを覚えるのかがお分かりいただけたでしょうか?

洗顔をして皮脂膜を洗い流せば一時的に肌がこわばるのは自然なことです。このようなつっぱり感は放っておいても肌に悪影響はありませんので、心配しなくても大丈夫です。

つっぱり感を感じやすいという点は、むしろ「肌に余計なものを残さない」という石鹸の良さを反映したものでもあるのです。

ただし、つっぱり感が強すぎるときはまた話が別です。

いくら洗顔後のつっぱり感が自然現象であると言っても、それは程度にもよります。顔が引き攣るような強いつっぱり感や、ピリピリ・チクチクするような刺激を伴う場合には、ちゃんとした対策が必要になります。

自分のつっぱり感が大丈夫なものかどうかが心配な方は、「そのつっぱり感は大丈夫?石鹸洗顔で肌がつっぱる度合い別の対処法」の方も参考にしてみてください。

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