石鹸で洗顔をしたら肌のつっぱり感を覚えるという人が多いです。
こちらの記事(洗顔フォームから石鹸に変えたら肌がつっぱる!)で解説したとおり、洗顔後の軽いつっぱり感は自然現象です。
しかし、つっぱり感も程度問題です。場合によっては、それ相応の対策が必要になるものもあります。
今回はどのくらいまでのつっぱり感なら無視しても良いのか、つっぱり感の度合い別に正しい対処法を説明していきます。
大丈夫かどうかはつっぱり感の程度による
洗顔後のつっぱり感には『まったく問題のないもの』と『無視してはいけないもの』とがあります。
まずは自分のつっぱり感がどちらに該当するのかを見極めなければなりません。
無視しても平気かどうかは、肌がつっぱる度合いによります。
1)気にしなくても大丈夫:洗顔後に感じる軽いつっぱり感。肌がちょっと突っ張る感じがする程度のもの。30分ほどで自然と収まる。
2)工夫が必要:顔が引き攣るような強いつっぱり感。または、ピリピリ・チクチクするような刺激を伴う場合。洗顔方法を工夫することで解消する。
3)石鹸を使ってはいけない:化粧水やクリームをつけないと痛くて耐えられないほどのつっぱり感。肌がヒリヒリと痛んだり、赤みを帯びたりする場合。
平たく言うと、軽いつっぱり感なら大丈夫、ちょっと強すぎるように思えるときは工夫が必要、痛みを覚えるほどなら石鹸の使用を控えるべき、ということです。
以下でそれぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
1)気にしなくても大丈夫なつっぱり感
- 「肌がちょっとつっぱるな」くらいの軽いつっぱり感
- 何もつけなくても30分程度で収まるもの
上記のような軽いつっぱり感はただの自然現象です。
皮脂を洗い流したために一時的に感じるものにすぎないので、気にする必要はありません。何もしなくても、皮脂が分泌されれば自然と解消します。
ただし、加齢などによって皮脂が出にくくなっている方は、洗顔後に油性化粧品で肌に足りない油分を補ってあげましょう。
皮脂が出るまで大人しく待とう
洗顔後の軽いつっぱり感は、洗顔によって肌の上から皮脂が取り払われたために起きる現象です。
肌は普段皮脂という油に浸かっています。洗顔によって皮脂が洗い流されると、一時的に肌から油っ気がなくなるために、肌が多少こわばった感じになるのです。
このような軽いつっぱり感はただの自然現象です。肌が乾燥しているわけでもダメージを受けているわけでもなく、単に一時的に皮脂が不在になっている感覚に過ぎません。
そのため、皮脂が分泌されれば自然とつっぱり感も解消されます。
洗顔後20~30分ほどで新しい皮脂が分泌され、肌全体に染み渡り、肌は元通りの状態になります。あわてて化粧水やクリームをつける必要もありません。
つっぱり感を覚えるとどうしても心配になってしまいますが、放っておけば自然と解消するものなので、まずは大人しく待ちましょう。
つっぱり感が収まらないときは油性化粧品を
もし洗顔後30分以上経ってもつっぱり感がつづくようであれば、そのときはクリームやワセリンなどの油性化粧品を薄く塗るようにします。
まだ若くて皮脂腺が活発な人なら問題はありませんが、加齢などによって皮脂の分泌量が低下していると、つっぱり感がなかなか収まらないこともあるのです。
その場合には、足りない油分を化粧品で補ってあげるのが正解になります。
ただし、塗りすぎは厳禁です。パンにバターを塗るかのようにべた塗りをする人もいますが、あくまでも足りない皮脂の分を補う程度で十分です。
油分を嫌って化粧水だけしか使わない人もいますが、ここで不足しているのはあくまでも油分であって水分ではありません。油っ気の多いクリームやワセリンを使うようにしてください。
2)工夫が必要なつっぱり感
- 顔が引き攣るような強いつっぱり感
- ピリピリ・チクチクするような刺激感を伴う
上記のような強いつっぱり感の場合には、もはや自然現象とは言えません。洗顔方法などに少し工夫が必要になります。
まずは真っ先に以下の2点を試してみてください。
・洗顔時間を短くしてみる
・石鹸を高品質な物に変えてみる
これら2つのことをするだけで大半の人はつっぱり感が激減すると思います。
洗顔時間を短くしてみる
強いつっぱり感の原因は単純に“洗いすぎ”であることがほとんどです。
皮脂の除去が洗顔の目的であるとはいっても、肌の上の油分を根こそぎ奪ってしまうような洗顔は正しくありません。強いつっぱり感を覚えるということは、肌にとって必要な油分まで落としてしまっているということです。
特に注意したいのは「洗顔時間の長さ」です。洗顔にかける時間の長さは、そのまま洗顔後の肌のつっぱり度合いに直結します。
洗顔にかける時間(洗顔料が肌に触れている時間)は15~20秒が理想です。どんなに長くても30秒が限度です。
基本的に短い分には問題がありませんので、強いつっぱり感を覚える人は洗顔時間を短くしながら、つっぱり感が軽くなるように調整してください。
それで「ちょっとつっぱるかな」程度になればもう安心です。
高品質な石鹸を使ってみる
石鹸を高品質なものに変えることでつっぱり感が解消されることも少なくありません。
特に、安い石鹸を使っていて洗顔後にチクチク・ピリピリするような刺激を伴うときは、一度品質の高い石鹸を試してみることをおすすめします。
それなりに健康な肌であれば、百円の石鹸でもまったく問題なく使うことができます。しかし、肌が弱っていると石鹸に含まれるわずかな刺激に反応してしまうことがあります。
ドラッグストアに並んでいるような安価な石鹸は『標準的な肌』を想定して作られています。別に品質が悪いというわけではありませんが、弱った肌にはもう少し気を遣って作られた石鹸の方が向いているのです。
肌が弱り気味な人向けに、過保護なほどに刺激を取り除いた石鹸が売られていますので、肌に自信がない人はそういった物を使うようにしましょう。
どのような石鹸を選べば良いのかは「正しい洗顔石鹸の選び方」にまとめてあるので参考にしてください。
3)石鹸を使ってはいけないつっぱり感
- 痛くて耐えられないほどのつっぱり感
- 肌がヒリヒリと痛み、赤みを帯びる
このような異常なつっぱり感や痛みを感じた場合、石鹸を使用することはできません。
肌が極度に弱っている証拠ですので、洗顔料の使用を即刻中止し、かならず水だけで洗顔するようにしましょう。
肌が極度に弱っていると石鹸は使えない
肌を洗顔料で洗っても平気なのは、肌がもともと人体のバリアだからです。素手で洗剤に触れても肌の内部に浸透してしまうようなことは通常あり得ません。
しかし、肌が極度に痛んで荒れていると、洗顔料の刺激がバリアを通り抜けて皮膚の内部にまで達してしまいます。このバリアを突破されたときの感覚がヒリヒリと染みるような痛みなのです。
これは俗に「超敏感肌」と呼ばれる肌状態です。肌が薄くなってビニールを張ったようになることから「ビニール肌」と呼ばれることもありますね。
このような肌はもはや「肌荒れ」というよりも「怪我」に近い状態にあります。肌全体がうっすらと怪我をしているようなもので、すり傷を石鹸で洗うと染みるのと同じことです。
普段手や体を石鹸で洗っている経験から考えれば、石鹸で肌を洗って染みる・ヒリヒリするという状況がどれほど異常なものであるかはわかるでしょう。
数週間は水洗顔にする
石鹸が使えない場合には、必ず水だけで洗顔をするようにします。
ここまでくると「低刺激な石鹸を使えば大丈夫」というレベルではなく、洗顔料を使うこと自体が厳禁です。もちろん洗顔フォームもNGです。
水洗顔をする場合にも、汚れを丹念に落とそうとせずに軽くすすぐ程度にしてください。とにかく肌を回復させることが最優先であり、汚れを落とすのは最小限に留めます。「傷口を洗っているようなものだ」という意識を持ちましょう。
肌の再生力はたいしたもので、ボロボロになった肌でも水洗顔を続けていると、かなりの程度まで回復してくれます。2~3週間ほどつづければ、石鹸を使える程度には回復すると思います。
敏感肌の総合的なスキンケア方法に関しては「敏感肌を解消するためのスキンケアマニュアル」の方にまとめてあるので参考にしてみてください。
まとめ
以上、肌がつっぱる程度ごとに対処法を見てきました。
おそらく大半の人は(1)で述べたような軽いつっぱり感に該当するものだと思います。特に、洗顔フォームから石鹸に変えたときに普段よりも肌がつっぱるように感じるのは当たり前のことなので、心配する必要はありません。
ただ、洗顔フォームを使いつづけてきた人ほど、洗いすぎの洗顔が習慣になっていたり、肌が弱っている可能性が高いのも事実なので、心配な方は(2)で述べたような対策も試してみてください。
正しい付き合い方を学べば、つっぱり感は肌の状態や洗顔の是非を教えてくれる有益なフィードバックです。
せっかく肌に優しい洗顔料である石鹸を使っているのですから、つっぱり感と上手に付き合って正しい洗顔を心がけましょう。