敏感肌には肌にやさしい洗顔石鹸がオススメ!……と聞いたものの、
「種類がたくさんありすぎてどれを選べばいいのかわからない!」
「正直、石鹸なんてどれも同じに見える…」
という人も多いのではないでしょうか?
実は、石鹸は種類によって肌への優しさに大きな差があります。
特に敏感肌の人はほんの些細な違いにも敏感に反応する肌質ですから、普通の人以上に気を遣った石鹸選びが必要になります。
この記事では、
- 洗顔後の肌がつっぱらない(=肌が乾燥しにくい)
- 肌がチクチク・ヒリヒリしない
- 赤みや痒みが出にくい
など“肌に優しいこと”を最重要視して、敏感肌の人に自信を持っておすすめできる洗顔石鹸を紹介していきます。
洗顔料はクレンジング剤と並んでもっとも肌のコンディションに影響を与えるアイテムですので、本当に肌にやさしい商品を選んで使いましょう。
そもそも洗顔石鹸とは?
市販の石鹸には、
- 浴用石鹸……手や体を洗うときに使う大量生産品
- 純石鹸(無添加石鹸)……たいていは石鹸屋さんが作っている
- 洗顔石鹸(化粧石鹸)……たいていは化粧品メーカーが作っている
など様々な種類があります。
このうち、浴用石鹸や無添加石鹸よりも、デリケートな肌のために気を遣って作られているのが洗顔石鹸です。
具体的には、
- 原料の脂肪酸を厳選することで皮膚刺激を減らしている
- 石鹸を作る過程で出てくる不純物を除去してある
- 肌から奪いすぎないように脱脂力やpHを抑えている
- 石鹸成分が肌に残りにくいように作られている
- 保湿成分などを配合してつっぱり感を減らしている
などの様々な工夫がこらされています。浴用や無添加のものに比べて、刺激が緩和されており、デリケートな顔の肌に安心して使えるように微調整されているわけです。
別に浴用石鹸や純石鹸が肌に悪いというわけではありませんが、浴用や無添加のものは顔の肌専用に作られているわけではないので、洗浄力が多少強めだったり、人によっては刺激を感じることもあります。
敏感肌の人は石鹸中に含まれるほんのわずかな刺激物にも反応し、肌荒れを起こしてしまう可能性があります。肌が刺激に弱い人は、ちょっと過保護なくらいの洗顔石鹸がベストなのです。
敏感肌の人におすすめの洗顔石鹸
ここでは、敏感肌の人におすすめの洗顔石鹸を3つ取り上げます。
いずれも敏感肌の人でも安心して使える低刺激な洗顔石鹸ですが、原料の脂肪酸の違いなどによって若干個性に違いがあります。自分に合った肌質のものを選びましょう。
サッポー ピュアマイルドEXソープ
・刺激性のある脂肪酸をカット・遊離アルカリゼロを実現
・低刺激性・無香料・無着色
【3個入り1,290円(税込)】
「石鹸洗顔をしたいけれど、普通の石鹸だと刺激やつっぱり感を覚えてしまう」
「洗顔石鹸を使うのははじめて!」
……という人におすすめしたいのがサッポーの洗顔石鹸です。
サッポーの洗顔石鹸は、非常にオーソドックスでバランスの良い商品です。
原料はパーム油とパーム核油です。これは昔から“石鹸の黄金比”と言われている組み合わせになります。石鹸は原料になる油脂(脂肪酸)の種類によって性質が変わりますが、この組み合わせで作ると、洗浄力・溶けやすさ・泡立ち・肌への優しさなど、全体的にバランスの良い石鹸が出来上がるのです。
もちろん、普通の石鹸とは違って、刺激に敏感な肌にも安心して使えるように以下のような工夫がされています。
①肌にやさしい脂肪酸だけを原料に使用
油脂はいろいろな脂肪酸が混ざり合っていますが、中には刺激性や乾燥性の強い脂肪酸も含まれています。原料の油脂を脂肪酸のレベルにまで分解し、刺激性のある脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸)をあらかじめ取り除いてあります。
②ピリピリ・チクチクの原因「遊離アルカリ」を完全に除去
普通の石鹸で洗顔すると刺すような刺激を覚えることがありますが、この原因になっているのが「遊離アルカリ」です。通常、石鹸を作るときに微量ながら発生してしまうのですが、サッポーの石鹸では完全にゼロにしてあります。
要するに、普通の石鹸から余計なものを徹底的に取り除いてあるわけです。
実際、安物の石鹸で洗顔したときとは洗い上がりの肌の感触がまるで違います。普通の石鹸で洗ったときのようなガビガビ感はまったく感じず、さっぱり洗い上がるのに肌がつっぱりません。
洗顔石鹸を使ったことがない人であれば、洗い上がりの肌の気持ちよさにびっくりするでしょう。@コスメの口コミでも非常に高評価(口コミ件数291件で平均評価5.5!)になっています。
全体的にクセのないオーソドックスな石鹸になっているので、洗顔石鹸をはじめて使う!という人には特におすすめできます。原料自体もシンプルなので、あまり変わった成分の石鹸を使いたくないという人にも向いています。
1個あたり400円ほどで、使いつづける上で負担にならない価格設定なのも嬉しいところ。石鹸のサイズは小さめですが、1個で1ヶ月くらい持つのでコスパは非常にいいです。ドラッグストアで数百円の洗顔フォームを買うくらいなら、絶対にこちらをおすすめしたいです。
公式を利用すると初回はクレンジングクリームとセットで安く買うことができます。クレンジングクリームの方も洗浄剤不使用でとても肌にやさしいクレンジング剤です。敏感肌の人はぜひ一度セットで試してみることをおすすめします。
→ 公式の商品紹介ページ
→ 公式:トライアルセット(税込1,600円)
ノブ(NOV) ソープD
・皮脂を取り過ぎないオレイン酸主体の石鹸
・無香料・無着色・低刺激性
【100g/1,080円(税込)】
「肌が敏感で、特に洗顔後の乾燥がひどい!」
……という人におすすめしたいのがノブの洗顔石鹸です。
ノブは皮膚科医お墨付きのメーカーなので、人によっては皮膚科で勧められたり、サンプルをもらったことがある人もいるかもしれません。
色でわかるように、オリーブオイルでお馴染みのオレイン酸が主体の石鹸です。
オレイン酸の石けんは皮脂を溶かす力が弱いので肌が乾燥しにくいのが特徴です。また、分子が長い(=大きい)ので肌に侵入しにくく、石鹸にしたときに皮膚刺激がもっとも少ない脂肪酸の一つでもあります。
オレイン酸以外も刺激の少ない脂肪酸だけが使われており、刺激にかなり敏感な人でも問題なく使えるようになっています。口コミを見ていると「洗顔料はこれしか使えない」という人も多いようです。
洗浄力(脱脂力)は一般的な洗顔石鹸よりも少し弱めになります。なので基本的には、皮脂の分泌量が少なく乾燥しやすい肌の人向きですね。逆に、皮脂をさっぱり落としたい人にとってはちょっと物足りないかもしれません。
なお、普通の石鹸に比べると泡立ちが少し悪いので、泡立てるのが苦手な人は洗顔ネットやスポンジを用意した方がいいかもしれません。また、オレイン酸主体の石鹸は溶けやすいので、使用後は水気をよく切って保管しましょう(湿気の多い浴室に放置しておくと減るのが早いです)。
→ 公式の商品紹介ページ
→ Amazon:NOV ソープD
アクセーヌ フェイシャルソープ AD
・さっぱり系の脂肪酸が主体(オレイン酸は不使用)
・低刺激性・無香料・無着色
【100g/1,080円(税込)】
「オイリー気味なのでさっぱり系の洗顔石鹸が良い」
「オレイン酸の入っている石鹸を使うと肌が荒れる」
……という人におすすめしたいのがアクセーヌの洗顔石鹸です。
基本的には、サッポーやノブと同じように刺激性の低い脂肪酸だけで作られている石鹸ですが、アクセーヌはオレイン酸不使用であるという点に特徴があります。
ノブの方で述べたように、オレイン酸は刺激が少なく肌が乾燥しにくい脂肪酸なのですが、一部に相性の悪い人がいることも事実です。オレイン酸の入っている化粧品を使うと、なぜか肌が荒れてしまうという人ですね。
アクセーヌの石鹸ではオレイン酸を完全にカットしてあるので、オレイン酸が苦手という人でも使えるようになっています。代わりに、低刺激で肌に合う合わないがあまり出てこないミリスチン酸やパルミチン酸などをメインで使っています。
オレイン酸を除外した結果として、相対的に皮脂をよく落とす脂肪酸が多めに含まれることになります。実際、洗浄力(脱脂力)に関しては若干さっぱり感が強いかな?という印象です(突っ張るほどではありません)。
口コミを見ていると、「さっぱりなのにしっとりする」という人と、「ちょっとだけ乾燥を覚える」という人に分かれていて、肌質によりけりな感じですね。
敏感肌の人の中でも、オレイン酸が苦手という自覚のある人や、肌がオイリー気味でさっぱり洗いたいという人に向いている石鹸だと思います。
→ 公式の商品紹介ページ
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肌の状態と相談して選ぼう
ここでは信頼感が高いメーカーで、かつお手頃な価格帯の洗顔石鹸を挙げました。
それぞれで個性がありますが、どれも石鹸としての精製度が高く、市場にたくさんある洗顔石鹸の中でもトップクラスに肌にやさしい商品になっています。
使い分けですが、原料の脂肪酸の特徴から言うと、
・超乾燥肌の人
→皮脂を落としにくいオレイン酸主体=ノブ
・脂性肌の人
→皮脂を落としやすいミリスチン酸・パルミチン酸主体=アクセーヌ
・乾燥肌・混合肌・普通肌の人
→どちらの傾向の脂肪酸も適度に含む=サッポー
といった感じになるでしょう。もちろんこれは一つの目安であり、実際には自分の肌で使ってみた感触で選ぶのがいちばんです。
もしどれにしようか迷ったら、まず最初はサッポーの洗顔石鹸から試してみることをおすすめします。昔から黄金比と呼ばれている配合比ですし、使用感にしてもこれといったクセがなく、洗浄力も弱すぎず強すぎず……と、いちばん使いやすいと思います。
ただし、肌がボロボロに荒れていて使える洗顔料がほとんどない!という人は、皮膚科と縁の深いノブやアクセーヌの方がいいかもしれません。
敏感肌の人が避けておきたい洗顔石鹸
洗顔石鹸であっても敏感肌の人に合わないタイプの商品が存在します。ここでは、敏感肌の人が洗顔石鹸を選ぶときに避けた方がいいものを挙げていきます。
角質ケア成分が入っているもの
洗顔石鹸の中には積極的な美肌効果を狙うタイプの商品があります。具体的には、「スクラブ」「AHA」「酵素」などの角質ケア成分が入っている洗顔石鹸です。
この手の角質ケア系の石鹸は、敏感肌の人との相性は最悪です。角質ケア成分は結局のところ「肌を削る成分」であり、肌に非常に大きな負担がかかります。人によっては一度の洗顔で顔が真っ赤に腫れあがる場合もあります。
最近は「スクラブ洗顔料は肌に悪い」という認識が広まったこともあって、実際にはスクラブ入りであってもはっきりそうと明記していないことが多いです。
実際、ネット上で名前をよく聞く某スクラブ入り石鹸は、(それを明記していないために)口コミが悲惨なことになっています。肌が丈夫な人が使うならいいのですが、肌が弱い人が使うと大変なことになってしまうのです。
「ゴマージュ」「ピール」「クリア」「透明感」「古くなった角質を…」などのキーワードがあれば、何かしらの角質ケア成分が入っている可能性が高いです。また、練り石鹸(ペースト状の石鹸)にもスクラブ入りのものが多いので、注意して成分表を見てみてください。
「自然派」「オーガニック」「手作り」っぽいもの
色つきレンガのような無骨な石鹸を見たことがあると思います。外国風でちょっとお洒落な感じのする石鹸ですね。
「無添加」で「天然の植物性油脂」で「昔ながらの製法」で……となんとなく肌にやさしそうなキーワードが揃っているので、魅力を感じる人もいるかもしれません。実際、敏感肌の人にこういった石鹸を勧めている情報源もたまに見かけます。
ですが、こういった天然の油脂をそのまま原料にしている石鹸は不純物が多い傾向があるため、敏感肌の人にはあまりおすすめできません。
天然のものなのでどうしても内容物に誤差が出てしまい、それが「遊離脂肪酸」や「遊離アルカリ」などの刺激物に繋がったり、オイルに含まれる夾雑物が洗顔後の肌に残って刺激になったりするのです。
天然素材と言えば聞こえはいいですが、裏を返せば「精製度が低い原料」ということです。敏感肌の人は上に挙げたような、脂肪酸のレベルで原料が精製されている洗顔石鹸を選んだほうが失敗が少ないです。
完全「無添加」のもの
「石鹸は無添加に限る!」という信仰は根強いようで、成分表が「石けん素地」だけの商品がいちばん肌に優しいと考えている人をしばしば目にします。
しかし、無添加石鹸は原料の油脂をそのままアルカリと反応させているものが多く、必ずしも低刺激であるとは限りません。油脂は複数の脂肪酸から構成されていますが、その中には刺激性を持つ脂肪酸も当然含まれています。
もちろん、作り方によっては肌にやさしい石鹸を作ることもできるのですが、洗顔石鹸に比べるとどうしても刺激が残りやすい傾向があります。また、洗顔専用ではなく、広い用途で使われることを想定している場合、洗浄力(脱脂力)が強めになっていることも多いです。
わずかな刺激にも反応してしまう敏感肌の人が使うのであれば、刺激を減らす工夫を二重三重に行っている洗顔石鹸の方が安心して使うことができるのは間違いありません。
重要なのは、「無添加かどうか」ではなく、「肌に悪い余計な成分が入っていないかどうか」です。無添加にこだわるあまり、肌のためになる有益な工夫さえも否定するのはちょっともったいない気がします。
まとめ
以上、敏感肌の人におすすめの(&おすすめできない)洗顔石鹸を見てきました。
真面目に刺激を取り除いて作られた洗顔石鹸は、普通の石鹸とは使ったときの感触がまるで違います。まさに「さっぱりなのにしっとり」という形容がぴったりな、やさしい洗い上がりで気持ちよく洗顔ができます。
洗顔料は肌のコンディションに直結します。肌にやさしい石鹸を使っていると、弱っていた肌のバリア機能が徐々に回復してきて、肌の調子が上向きになってきます。
ぜひ刺激の少ない洗顔石鹸で肌にやさしい洗顔を実践してみてください。