洗顔後やお風呂上がりに、鼻の頭や小鼻から「白い角栓」が出ているのを見たことがありませんか?
今回はこの「白い角栓」の正体と正しい対処法について書いていきます。
洗顔後に「白い角栓」が目立つ理由
洗顔後に白い角栓が目立つのは、角栓は水を吸うと膨張するためです。
普段は乾いた状態で毛穴に収まっているのに、水を吸うと何倍にも膨らんで飛び出してくるのです。
放っておいても洗顔後30分もすれば、また縮んで目立たなくなります。
この白い角栓は「汚れをしっかり落とせていないから出る」わけではまったくありません。
また、放っておいても肌に悪いものではありませんし、絶対に意識して取ってはいけないものです。
……といきなり言われても納得できないと思いますので、この白い角栓の正体や成り立ちについて以下詳しく解説していきます。
角栓ってなんだろう?
角栓に関しては8割以上の人が誤解していると思うので、まずはここから説明をはじめましょう。
角栓は毛穴が白い粉を吹いたもの
角栓をわかりやすく表現すると「毛穴が白い粉を吹いたもの」になります。
肌が荒れて乾燥すると、白い粉を吹いたようになることがありますよね?
肌の表面は「角質」というタンパク質の薄片に一面覆われています。魚のウロコや瓦屋根のようなイメージです。
セロハンテープを肌に貼って剥がすとキラキラした白い粉末がついてきますが、あれが「角質」です。
通常、角質は瓦屋根のように整然と並んだ状態で肌を覆っています。
しかし、肌がダメージを受けて傷むと、表面にある角質が剥がれてきます。台風が過ぎ去った後の瓦屋根みたいになるのです。
こうして肌から剥がれてめくれ上がった角質が「白い粉」の正体です。
毛穴も白い粉を吹く
毛穴も肌でできていますので、ダメージを受けて傷むと白い粉を吹きます。
ただ、毛穴はスペースが狭い上に、皮脂の通り道です。
結果的に、白い粉が皮脂でまとめられてダマになり、大きな塊になって毛穴に詰まります。
これがいわゆる「角栓」です。
毛穴に出る白いものは汚れでもなければ脂でもありません。肌の一部(だったもの)なのです。
白い粉は水を吸うと膨らむ
この白い粉、すなわち角質は、非常に吸水性に富んでいます。
例えば、角質の層が厚い手指などは、長湯をすると水を吸って膨らみ、ふにゃふにゃのしわくちゃになりますね。
通常、肌から剥がれた角質はカラカラに乾いて縮んでいます。もう肌からの水分補給もなければ、自分自身で保湿する力もないからです。
ですが、お風呂に入ったり、洗顔で水に触れたりすると、乾いていた角質は水を吸ってぐんぐん膨らみます。
そうして何倍もの大きさにふくれあがったものが、洗顔後に出る「白いもの」の正体です。
乾燥ワカメみたいなものですね。触ってみれば感触的にもプヨプヨしているのがわかると思います。
毛穴という狭いスペースで膨張するので一時的に毛穴から飛び出してきますが、洗顔後30分もすれば乾燥して再び縮み、姿を消しているはずです。
毛穴の白い角栓は取ったらダメ!
毛穴に白いものが出ると、取りたくなりますよね。
爪の先で軽く引っ掻けば簡単に取れますし…。
でも、取ったらダメですよ!
取れば取るほどもっと大きくなって帰ってくるのが角栓というものです。
白い角栓を取ると毛穴がダメージを受ける
思い出してください。その白いものは荒れた肌が吹く白い粉と同じものです。
荒れた肌の表面にある白い粉をペリペリ剥がしていっても平気だと思いますか?
もちろん、平気じゃないんですね。
一時的に肌の表面が掃除されてキレイになったように見えても、後でもっとひどく荒れるのは想像するまでもないと思います。
毛穴だってまったく同じです。
白い角栓は毛穴にすっぽり収まっている何かではありません。
毛穴の開口部から剥がれた角質の塊です。まだ部分的に肌と繋がっています。
そのため、白いものを取ってしまうことは、毛穴の開口部を引きちぎることを意味します。
取っても次の日にはまたできる
仮に、白いものを爪で引っ掻いて取っちゃったとしましょう。
一時的に毛穴はキレイになったように見えます。
しかし次の日、お風呂に入って毛穴を見れば、同じ場所に同じように白いものがあるはずです。
角栓は取ってもすぐにまたできます。しかも、取れば取るほどに大きくなって戻ってきます。
当たり前です。角栓を取り除いたことによって毛穴は前以上に傷み、前以上に盛大に白い粉を吹くようになるのですから…。
放っておいても白いものは勝手に取れる
「でも、放っておいたら毛穴が広がっていくんじゃ…?」などと心配する必要はまったくないので安心してください。
白い角栓は放っておいても勝手に取れていきます。
これもよく誤解されていることですが、毛穴に汚れや角栓が居座りつづける……ということはあり得ません。
毛穴も肌と同じように、新陳代謝を繰り返して細胞が総入れ替えされているので、留まりつづけることは原理的に不可能なんですね。
毛穴にある白い角栓も、土台になっている角質の層ごと“垢(あか)”として捨てられます。それも、数日という短いスパンで、です。
ただ、毛穴のコンディションが改善されるまでは、新しい角栓(=白い粉)が出つづけますので、結果的に「いつ見てもある」ということになるわけです。
本当は白いものは日々入れ替わっているのです。私たちが「昨日の角栓」と「今日の角栓」を見分けられないだけなのです。
さらに言うと、角栓が「白い」ということは「新しい」ということでもあります。ちゃんと入れ替わっている証拠ですので安心して放置しましょう。
クレンジングや洗顔料に取ってもらうのもダメ!
クレンジングや洗顔料の中には、毛穴の白い角栓を根こそぎ除去してくれるタイプのものがあります。
たしかに、そういった商品を使うと、クレンジング後や洗顔後に白い角栓がいなくなっています。毛穴がキレイになった?と思わせるところがあります。
しかし、これは爪で引っ掻いて落としているのとさして変わりがありません。
自分で取る代わりに、クレンジングや洗顔料に取ってもらっているだけです。
例えば、「角栓ごっそり」のクレンジングオイル。
オイルタイプのクレンジングは肌からモノを奪う力がものすごく強いので、毛穴から飛び出ている角栓くらいなら取り除いてしまいますが、毛穴には非常に大きな負担がかかります。
例えば、ゴマージュ・スクラブ・酵素・AHA・どろ・炭などの角質ケア成分を配合した洗顔料。
角栓を除去する方法はそれぞれ異なりますが、いずれも毛穴に大きなダメージを与えます。
他にも、色々な商品がありますが、基本的に角質を取り除くタイプのクレンジングや洗顔料は使えば使うほど悪化します。
最初に述べたように、毛穴の白い角栓は肌荒れ時に吹く白い粉と同じものです。
皆さんは肌が荒れて白い粉を吹いていたらどう対処しますか?
汚れと見なしてクレンジングや洗顔料で根こそぎ落としてやろう!……なんて思いませんよね?
白い角栓だって同じことなのです。
洗顔後に出る「白い角栓」の正しい対処法
どうすれば白い角栓が毛穴からなくなるのか?
「今ある白いもの」をどうにかしようとしても意味がありません。次の日には復活してきますし、取れば取るほど毛穴の状態は悪化してしまいます。
重要なのは、白いものが出ないような毛穴状態にすること、別の言い方をすれば、毛穴の粉ふき状態を改善することです。
毛穴のコンディションが改善されれば、白い角栓は自然とできなくなります。
個人的に「角栓をなくす最短の方法」だと思っているのは、
2)保湿にセラミドを取り入れる
を実践することです。
毛穴の傷み具合にもよりますが、この2つをするだけで角栓が目に見えて改善してくる人も少なくないと思います。
一つずつ説明していきますね。
1)クレンジングをクリームタイプに変える
白い角栓は毛穴の粉吹き状態だと言いました。
毛穴を粉吹き状態にしてしまう原因としてもっとも多いのが、クレンジングの強すぎる洗浄力です。
クレンジング剤は種類によっては脱脂力が非常に強く、毛穴を荒れさせる最大の原因になります。
毛穴の角栓に悩んでいる人に話を聞くと、クレンジングオイルやリキッドなどの脱脂力の強いクレンジングを日常的に使っているケースが多いです。
脱脂力の強いクレンジング剤が毛穴に触れると、肌の保湿成分が奪われて、毛穴の粉吹き状態、すなわち角栓ができる状況を生み出してしまうのです。
毛穴にダメージが少ないクレンジングは、クリームタイプやミルクタイプになります。
ただ、ミルクタイプはメイク落ちに劣るので、使っているメイク料によっては肌に残ってしまうかもしれません。
クレンジングで迷ったら、クリームタイプにするのがおすすめです。
具体的なおすすめクレンジングは↓で紹介しています。
2)保湿にセラミドを取り入れる
「セラミド」という成分をご存じでしょうか?
肌の保湿の主役を担っている成分で、肌のバリア機能を補強してくれる効果があります。一般的には乾燥肌におすすめの成分として知られています。
実は、セラミドは角栓対策にも非常に効果的です。角栓を毛穴の粉吹き状態と考えれば、乾燥肌との共通点もわかりますね。
私自身、たまに肌の調子が悪いときなどに、洗顔後の毛穴に白い角栓が出ることがあります。
そういうときに、保湿用品をセラミドが高配合されている化粧品に切り替えると、肌の調子が安定するのにあわせて、白い角栓も数日で出なくなるんです。
私の場合は、普段は角栓がない状態なので治りやすいというのもあると思いますが、角栓にセラミドが効果的なのは間違いありません。
ぜひ一度セラミドが配合された化粧品を使ってみてください。
セラミドには肌がふっくらして毛穴が目立ちにくくなる効果も期待できるので、毛穴に悩んでいる人には本当におすすめできる成分ですよ。
セラミドと角栓の関係や、具体的なおすすめ商品については↓の記事にまとめています。興味のある方は読んでみてください。
まとめ
以上、お風呂上がりや洗顔後に毛穴にでる「白い角栓」の正体と正しい対策について見てきました!
角栓をなくす唯一の方法は「毛穴の粉吹き状態」を解消することです。
毛穴の状態が回復してくれば、徐々に白い角栓が出にくくなり、最終的には完全に毛穴から姿を消します。
角栓を無理に取り除いたりせずに、ひたすら毛穴をいたわってケアするようにしてください。