洗顔方法の4種類
洗顔方法は大きく以下の四つに分けられます。
├①石鹸洗顔
└②石鹸以外の洗顔料による洗顔
③水洗顔
④油洗顔(クリーム洗顔やオイル洗顔など)
以下、それぞれの長所と短所、そしてどのような肌にどの洗顔法が合っているのかを簡単に見ていきましょう。
泡洗顔
泡洗顔は洗顔料を使った洗顔方法です。要は“洗剤洗顔”です。
あらゆる洗剤は界面活性剤と呼ばれる成分でできています。界面活性剤は油を水に溶かし出す働きをするもので、それにより油汚れを効率よく落とすことができます。
ただ、非常に強力な洗浄力を持っているため、洗顔方法や洗顔時間を少しでも間違えると簡単に“洗いすぎ”になり、毛穴の黒ずみの原因となります。
界面活性剤は「石鹸」と「石鹸以外の合成洗剤」で大別することが通例で、後者の方を特に「合成界面活性剤」と呼んで石鹸とは区別します。
②石鹸以外の洗顔料による洗顔
順序が前後してしまいますが、説明の都合上こちらを先にします。
石鹸以外のあらゆる洗顔料が該当します。代表例は洗顔フォームですね。
短所=すすぎ後も洗剤成分が肌に残留する。“洗いすぎ”になりやすい。
この長所と短所は表裏一体です。
洗顔フォームの使用感が良いのは、肌に残留した洗剤成分が“なんちゃって保湿効果”を発揮するためです。肌に貼りついた洗剤成分が水分をつかみ、洗い上がりのしっとり感が生まれます。
とはいえ、この残留性は肌や毛穴のことを考えれば明らかなマイナスです。
肌や毛穴に貼りついた洗剤成分は肌の構造を破壊します。そして次回の洗顔時に、洗剤成分に溶かされた肌の保湿成分などが水に流されていくのです。
洗顔フォームがマイルドなのは使用感だけです。洗顔フォームは知らないうちに“洗いすぎ”を招くため、毛穴の黒ずみを生む大きな原因になります。
すでに黒ずみができているなら相当に肌と毛穴が弱っている証拠ですから、洗顔フォームを使いつづけるのはオススメできません。次に説明する石鹸洗顔に切り替えましょう。
①石鹸洗顔
石鹸を使った洗顔です。
短所=弱アルカリなために弱り切って過敏になった肌には使用できない。
石鹸の長所と短所も実は表裏一体です。
どんなにすすぎを徹底しても成分が肌にくっつくのは石鹸もそれ以外の洗剤も同じです。
しかし、石鹸には“大量の水でアルカリ性が薄まると洗浄力を失う”という性質があります。すすぎを行った時点でもう洗剤ではなくなるのです。
それゆえ、残留した成分がすすぎ後もじわじわと肌にダメージを与えるという事態にはなりません。ここが洗顔フォームなどとの最大の違いです。
ただし、石鹸は弱アルカリですから、過敏になりすぎた肌には使用できません。
洗顔後にちょっと肌がつっぱるくらいなら問題ありませんが、ピリピリチクチクする痛みを覚えたり、洗顔後の肌が赤くなったりするようなら(ほんの少し赤みを差す程度なら平気です)、石鹸洗顔は断念しなければなりません。
③水洗顔
洗顔料を使わず、水だけで洗顔する方法です。
短所=皮脂などの油汚れが落ちにくい。
肌を荒れさせる最大の原因である洗剤を使用しないわけですから、非常に肌や毛穴に優しい洗顔法です。
ただし、水と油は反発し合うため、油性の汚れを落とすことは苦手です。
そのため、皮脂の分泌が過剰になった肌でいきなり水洗顔に切り替えると、肌の上の油を十分に落とすことができずに脂漏性皮膚炎などを招く危険性があります。
水洗顔は石鹸洗顔と甲乙つけがたいほど理想的な洗顔法だと思いますが、それはそれなりに健康な状態の肌であればです。
水洗顔を最終目標にするのはいいのですが、いきなり一足飛びせずにまずは正しい石鹸洗顔からはじめることをオススメします。
肌の状態にある程度の自信が持てたときに、はじめて水洗顔にトライするようにしましょう。
④油洗顔(クリーム洗顔、オイル洗顔)
油を使った洗顔法です。石鹸を使えないほど弱った肌のためにあるような洗顔方法です。
“油洗顔”という言葉は聞き慣れないと思いますが、方法としては昔からあるものです。油としてクリームを使うことが多く、その場合には“クリーム洗顔”などとも呼ばれます。
どちらかというと洗顔よりもクレンジングとしてポピュラーな方法ですね。コールドクリームを使ったクレンジングやオリーブオイルを使ったクレンジングなら聞いたことがあると思います。
この方法は洗顔でも有効です。実際、オリーブオイル洗顔なるものも存在しますね。
原理としては、まず最初に油汚れをきれいな油に馴染ませ、肌から浮かせてから、水で一緒にすすぎ流すという仕組みになります。
水洗顔に、油で油を浮かせるという一手間を加えることで、水洗顔では落ちにくかった油汚れを落ちやすくするわけです。要は、油+水洗顔ですね。
マイナーではありますが、石鹸洗顔よりも肌に優しく、水洗顔よりも汚れ落ちが良い、痒いところに手が届く洗顔法です。
短所=他の洗顔法に比べると少しだけ手間がかかる。
油洗顔も洗剤を使用しませんから、水洗顔と同じように肌に負担をかけない洗顔法です。
洗剤を使わない分洗顔後に肌に多少の油分が残りますが、それは気にする必要がありません。洗顔後の肌に保湿成分の入っていない乳液やワセリンが肌にちょこっと塗ってあるようなものです。
短所らしい短所はありません。ただ、他の洗顔法に比べると多少手間に感じるかもしれません。クリームタイプのものを使えば、クレンジングの感覚でできますから手間もあまりかかりません。
どの洗顔方法を選ぶべきか
毛穴の黒ずみを治す上で、洗顔方法の選択は極めて重要です。
まずは石鹸洗顔を試してみる
毛穴の黒ずみには石鹸洗顔が理想的です。
現在、洗顔フォームなど石鹸以外の洗顔料を使っている人は、何はともあれまずは石鹸洗顔に切り替えましょう。
洗顔フォームを使うか石鹸を使うかによって、毛穴の黒ずみの治りやすさが大きく変わってしまいます。もちろん、洗顔フォームの方が黒ずみは治りにくくなります。
洗顔料の選択一つで黒ずみ解消に大きな差が生まれる部分ですので、なんとなくで洗顔フォームを使いつづけるのは絶対にやめましょう。
石鹸洗顔がダメなら油洗顔
あまりにも弱った肌だと石鹸洗顔ができない場合もあります。これは一度石鹸洗顔をしてみて、実際に試してみるのがいちばんです。
肌が異様につっぱったり、ピリピリチクチクするような痛みを覚えたり、肌が赤くなったりしたら、石鹸洗顔は断念しなければなりません。
石鹸洗顔が無理なときは、肌が石鹸に耐えられるようになるまで油洗顔にしましょう。
油洗顔は洗剤を使用しませんからどんな肌でも対応できます。
多少面倒なことを除けば短所らしい短所もありません。石鹸を使っていいかどうか迷ったときには油洗顔にしておけば間違いがありません。
最終目標は石鹸洗顔
油洗顔を続けていれば、それほどしないうちに肌の状態が回復してくるはずです。ある程度まで肌の状態が改善されたら、石鹸洗顔をしても平気になります。
油洗顔は“弱りに弱った肌”を“弱った肌”程度にまで引き上げるための洗顔方法と考えてもらって構いません。
最終的には石鹸洗顔を目指しましょう。
毛穴の黒ずみに限らず、肌をきれいに保つ上で石鹸洗顔は理想的な洗顔法です。長くつづければつづけるほど、肌や毛穴の状態が目に見えて変わってくるはずです。