毛穴の開き、鼻の黒ずみ、角栓……。
これらの毛穴トラブルの解消には毛穴汚れがしっかり落ちる洗顔料がいいと思っていませんか?
「毛穴にいい洗顔料=毛穴汚れをキレイに除去する洗顔料」と思われがちです。
しかし、まさにこのような認識こそが毛穴の開き・黒ずみ・角栓を治らなくしている最大の原因なのです。
この記事では、毛穴の開き・黒ずみ・角栓などに本当にいい洗顔料とはどのようなものなのかをわかりやすく解説していきます。
具体的なおすすめ商品も挙げていますので、洗顔料選びの参考にしてみてくださいね。
こんな洗顔料は「地雷」です
毛穴ケアに良さそうに見えて、実際には逆効果になってしまう洗顔料です。
「毛穴汚れすっきり」系の洗顔料
下のようなイラストを見たことはないでしょうか?
毛穴汚れがスポッ!
アピール力が高いのか、毛穴ケア用の洗顔料でよく見かけますね(信用に関わるので大手メーカーではさすがに見かけませんが)。
もちろん、毛穴汚れがこんな風に取れることは実際にはあり得ません。
毛穴吸引器の説明図であるならまだわかりますが、泡立てて使う洗顔料の図解としてはいくらなんでもおかしいです。
ふわふわの泡のいったい何の力が働いて吸い上げられているの?という話です。
これは泥や炭などを配合した洗顔料に多い売り方です。
■「泥・炭」系の洗顔料
泥や炭には汚れを吸着する性質があります。
この「吸着」という言葉のイメージが悪用されているのですね。
炭や泥は多孔質(穴が無数に空いている)構造をしており、触れるものをスポンジのように吸い寄せる作用があります。
……というとまさに毛穴汚れを吸い上げてくれそうな感じがするかもしれませんが、洗顔料に溶けているのはミクロレベルの粒子です。
洗顔料に配合した場合、どちらかと言えば研磨剤に近い働き方をするものであって、間違っても毛穴に詰まった汚れが吸い出されるようなものではありません。
「毛穴の奥まで入って汚れを……」と宣伝しているものもありますが、本当に毛穴の奥に入り込んだら炎症を起こします(毛穴の奥は肌のバリアが不完全なのです)。
泥や炭は配合量が多くなってくると、次に挙げる「角質ケア」系の洗顔料に性質が近づくので、肌と毛穴に大きな負担がかかります。
何よりもこのような売り方をしているメーカーは信頼できません。洗顔料としての質も疑わしいので、使うのはやめておきましょう。
「角質ケア」系の洗顔料
毛穴ケアに「角質を取り除く」タイプの洗顔料もおすすめできません。
角質ケア成分としては、スクラブ・酵素・AHAが御三家です。
角質を除去する仕組みはそれぞれ少しずつ違います。
■スクラブ洗顔料
スクラブ(粒子)で物理的に角質を剥がします。要は研磨剤入り洗顔料です。最近では「スクラブは肌に悪い」というイメージが定着してきているので、スクラブ入りであることを隠して販売されるケースが多いです。肌に悪いのはもちろん、目の角膜を傷つける危険性が指摘されています。
ちなみに、口コミ系の毛穴ケアに「重曹」を使った方法がありますが、それも重曹をスクラブとして使うというものです。重曹でシンクを磨くとピカピカになるのと同じで、毛穴の黒ずみや角栓を削り取ろうという趣旨です。
■酵素洗顔料
タンパク質を分解する酵素によって角質を剥がします。角質はタンパク質でできているので、酵素を配合しておくと剥がれやすくなるのですね。スクラブに比べると安全性は高いですが、やろうとしていることは基本的に変わりません。
■AHA(フルーツ酸)洗顔料
「酸」の溶解力で角質を剥がします。ただ、この手のピーリング剤は素人が使うとトラブルが頻発するため、もともとただのイメージ商品に過ぎず、実際には効果を発揮しないように作られているという話もあります。
「洗顔版毛穴パック」のようなもの
いずれにしても、肌表面にある角質を取り除くタイプの洗顔料になります。「ピーリング」という言葉通り、肌をピールする(=皮を剥く)わけです。
角質ケア系の洗顔料を使うと、毛穴の黒ずみや角栓を剥がし取ることになり、一時的に毛穴の目立ちがマシになったように見えることがあります。
しかし、毛穴パックなどと同じで、一時的にキレイになったように見えてもすぐにまた元通りになりますし、確実に毛穴の状態は悪化します。
結局は「洗顔版毛穴パック」のようなものに過ぎないと肝に銘じておきましょう。
毛穴ケアをアピールした洗顔料はおすすめできない
鼻の毛穴に悩んでいる人は、「毛穴ケア」を打ち出した洗顔料を選びたくなると思います。
毛穴に悩んでいるのですから、毛穴用に作られた商品の方がいいような気がするのも不思議ではありません。
しかし、毛穴ケア用の洗顔料を使えば使うほど、毛穴の開き・黒ずみ・角栓などはかえって悪化してしまいます。
毛穴ごっそり系の洗顔料は毛穴を傷める
本来、黒ずみや角栓などの毛穴汚れは洗顔料で洗って落ちるようなものではありません。
毛穴を気にするとたいていの人は毛穴を念入りに洗ってしまいますが、「一生懸命洗うようにしたら毛穴がキレイになった!」という人は一人もいないでしょう。
洗顔料にはもともと毛穴汚れを落とすような力なんてないのです。
そこで登場するのが、冒頭に挙げたような泥・炭・スクラブ・酵素・AHAなどの成分です。
洗顔料自体の洗浄力では歯が立たないので、削ったり剥がしたり分解したり吸着したり、あの手この手を使って毛穴汚れを取ろうとするわけです。
しかし、いずれの方法にしても、毛穴にものすごく大きな負担がかかります。
それらの成分は毛穴の汚れだけを選択的に除去するわけではありません。毛穴の表面にある角質や保湿成分なども奪い取り、毛穴に大きなダメージを与えます。
いつまで経っても毛穴がよくならないばかりか、ダメージを受けるたびに毛穴開口部の「不全角化」が進行し、次第に毛穴がすり鉢状に広がっていきます。
こういったタイプの洗顔料は絶対に使わないようにしましょう。
本当に毛穴の開き・黒ずみ・角栓にいい洗顔料とは?
使いつづけることで毛穴の開き・黒ずみ・角栓などを本当に解消してくれるのは、肌と毛穴にダメージを与えないような洗顔料です。
傷んだ毛穴に必要なのは優しさです
黒ずみや角栓ができるのであれば、毛穴はすでに相当に傷んでいます。
毛穴の開口部が不全角化を起こしてすり鉢状に凹んでいる人も少なくないでしょう。
毛穴が繰り返しダメージを受けると、ダメージを修復するために角化が昂進し、まともな細胞を作ることができなくなります。
毛穴パックなどの無理な毛穴ケアを繰り返していると毛穴がだんだん広がっていくのも、ここに理由があります。
このような毛穴は刺激にとても弱い状態です。
洗顔はクレンジングと並んで毛穴がダメージを受ける最大の機会ですので、できる限り毛穴を刺激しないで済むような洗顔料を選ぶことが求められます。
毛穴ケアにはシンプルな洗顔石鹸を使おう
毛穴ケアにはシンプルで肌に優しい洗顔石鹸を使うのがベストです。
洗顔石鹸は、洗浄力・刺激性・pH・原料の脂肪酸などのあらゆる点において、デリケートな顔の肌専用にカスタマイズされている石鹸です。
刺激に弱くなっている毛穴を洗うのに、これ以上適した洗顔料は他にありません。
洗顔フォーム(よくチューブ入りで売られているもの)を使っている人もいるかもしれませんが、洗顔フォームは合成界面活性剤がわずかながら肌や毛穴に残ってしまうので、あまりおすすめできません。
傷んだ毛穴には、安心して使うことができる石鹸タイプを使いましょう。
もちろん、洗顔石鹸なら何でもいいというわけではありません。洗顔石鹸の中にも負担の大きい成分を使っているものがたくさん存在します。
毛穴ケアにおすすめできるのは、ただひたすらに刺激を少なくすることを目指したシンプルな洗顔石鹸になります。
ダメージが減ると毛穴は自然と回復してくる
洗顔料から受けるダメージが少なくなれば、その分だけ毛穴の状態は着実に改善されていきます。
もともと毛穴はなんとかして元のキレイな状態に戻ろうとしています。しかし、ダメージを受け続けているうちは本来の回復力を発揮することができないのです。
肌と毛穴に優しい洗顔料を使っていると、毛穴が自力で回復するだけのゆとりが生まれ、徐々に毛穴のコンディションが改善してきます。
毛穴のコンディションさえ改善されれば、毛穴汚れは詰まらなくなりますし、すでにできていた黒ずみや角栓なども自然と取れていきます。
毛穴の悩みを本気で解消しようと考えるなら、毛穴をいたわってあげられるような洗顔料を使うようにしてください。
管理人のおすすめ洗顔料
おすすめと言いますか、迷ったらこれを使っておけば間違いないと思える洗顔石鹸です。管理人が普段から使っているものでもあります。
おそらく日本でいちばん肌と毛穴に優しい洗顔料の一つだと思います。
奇抜なところは一切なく、ごく普通の石鹸から刺激になるものを徹底的に取り除いたような作りになっています。変わった原料が使われていないオーソドックスな石鹸なのでどんな肌質の人でも安心して使うことができます。
1個あたり400円くらいの価格なので、コストパフォーマンスも非常に良好です(1ヶ月近く持ちます)。
初回はクレンジングクリームとセットで安く買えるキャンペーンをやっているので、そちらを利用しましょう。送料のことを考えると石鹸だけを単品で買うよりも安くなります。
→サッポーの『洗顔キャンペーン』(1,600円/送料無料)
クレンジングクリームの方もとても肌に優しい作りになっているので、毛穴ケアにおすすめのクレンジングです。女性の方はぜひメイク落としに使ってみてください。
また、このクレンジングクリームはメイクをしない男性の方にも使い道があります。
洗顔の補助として、毛穴用のスペシャルケアに使えるためです。
洗顔をする前にこのクリームで毛穴を軽くクルクルすると、毛穴にこびりついた酸化皮脂を浮かせることができ、普通に洗顔するよりも効果的に毛穴汚れを落とすことができます。
もちろん「毛穴汚れをごっそり取る!」ようなものではありませんが、毛穴に負担をかけずに行える数少ない毛穴ケアの一つです。
普段メイクをしない人もぜひ洗顔前のクリームケアを試してみてください。
具体的なやり方は↓にまとめてあります。
まとめ
以上、毛穴の開き・黒ずみ・角栓などのケアにおすすめの洗顔料を見てきました。
毛穴を改善する上で、肌と毛穴に優しい洗顔料選びは生命線になります。
洗浄力が強すぎる洗顔料や刺激の強い洗顔料などを使っていると、洗顔のたびに毛穴がダメージを受けることになります。
そんな状況下では、いつまで経っても毛穴のコンディションが改善してくる余地が生まれません。
肌と毛穴に優しい洗顔料を使うようにしていれば、すぐには効果が見えなくても、使いつづけているうちに毛穴の状態は少しずつ改善していきます。
もちろん一日二日ですぐによくなるわけではありませんが、肌細胞の新陳代謝はけっこう早いので、2,3ヶ月後にもう毛穴が目立たなくなっているはずです。
洗顔料は毛穴にダメージを与えないことだけを重視して選び、少しでも毛穴に負担の少ない洗顔を実践するようにしてくださいね。