角栓は除去しちゃダメ!角栓の正しい対策方法まとめ

「角栓を除去→またすぐ詰まる」の無限ループにはまり込んでいませんか?

対策のやり方を間違えると、毛穴の角栓はいつまで経ってもなくすことができません。

この記事では、角栓を解消するための本当に正しい対策方法をまとめています。

ちょっと長いですが、一から順を追って解説していきますので、ぜひお付き合いください。

角栓はなぜできる?

角栓を一言で言い表すならば「毛穴の粉吹き状態」です。

角栓ができる原因は、毛穴部分の肌が傷んで荒れていることにあります。

毛穴部分の肌の拡大図

肌は何かしらのダメージを受けると、ダメージを修復するために代謝が活発化します。肌のターンオーバー(細胞の入れ替わり)のテンポが早くなるのです。

すると、肌表面の角質がボロボロと剥がれてくるようになります。

肌が荒れたり乾燥したりすると「白い粉」を吹いたりしますね? あれは肌の表面を覆っているタンパク質である「角質」が剥がれているのです。

また、頭皮がダメージを受けて荒れていると「フケ」が出ますが、あれも同じく「角質」がまとまって剥がれたものです。

これらと同じことが毛穴部分で起きると「角栓」ができます。

毛穴部分が角質がボロボロ剥がれるようになると、毛穴から出てくる皮脂と混ざり合ってダマになり、毛穴の出口に詰まってしまうのですね。

角栓ができる仕組み

「角」質でできた「栓」だから「角栓」です。そのまんまですね。

角栓は「毛穴の汚れ」だと誤解されがちですが、実際には「白い粉」や「フケ」などと同じものです。ただ、毛穴の出口という狭いスペースで剥がれるので詰まってしまうのです。

角栓とは傷んだ毛穴から出る代謝物である、という点をまずはしっかり認識しましょう。

角栓は除去しちゃダメ!

角栓は意識して取ってはいけません。

角栓を除去すればするほど余計に悪化していきます。

すでに見たように、角栓は毛穴部分の粉ふきです。無理やり剥がし取って一時的にキレイになったとしても、もっとひどくなるのは火を見るよりも明らかです。

肌荒れ時に出る「白い粉」を見た目が汚いからと言ってペリペリ剥がせばどうなるかは、想像するまでもないでしょう。

パックと同様、ゴマージュなど、取り除くタイプが主流の毛穴ケアは、実は熱心にすればするほどトラブルを招いてしまいます。それは、角質を取り除いていくタイプが多いからです。

岩本麻奈『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』p91

角栓を除去してしまうと、毛穴の表面にある角質がごっそり剥がし取られます。すると、ダメージを受けた毛穴はさらに代謝が活発になり、よりいっそう角栓ができやすい状態になります。

角栓を除去している限り、角栓はいつまで経ってもなくなりません。

自然に取れてくるものまで残しておく必要はありませんが、意識的に除去するのは悪化させるだけなので絶対にやめておきましょう。

角栓は自然に取れていっている

角栓を除去してしまう人が後を絶たないのは、「角栓は取らなければなくならない」という思い込みがあるからだと思います。

実は、角栓はわざわざ取り除かなくても毎日少しずつ自然と取れていっています。

そんなバカな!と思う人もいるかもしれませんが、「角栓が詰まりっぱなし」というのは皮膚と毛穴の構造上あり得ないことです。

「毛穴の詰まり」が気になって、取り除こうとやっきになっても、そもそも毛穴が汚れているわけではありません。正常な角栓を詰まりと思い込んでしまっているのです。毛穴の角質細胞もターンオーバーで入れ替わるので、そこに同じ皮脂や汚れがとどまりつづけるということはありません。

檜垣祐子『皮膚科専門医が教えるやってはいけないスキンケア』p158

上の引用でも言われているとおり、角栓は肌のターンオーバーに従って少しずつ排出されていきます。

私たちには「昨日の角栓」と「今日の角栓」の見分けがつかないので、角栓が「詰まりっぱなし」に思えてしまいますが、実際には角栓はかなり早いペースで入れ替わりつづけているのです。

角栓がいつまで経ってもなくならないのは、角栓が取れていっていないからではなく、代謝が活発化した状態がつづき、角栓の材料となる代謝物(=角質)が出続けているためなのです。

「今ある角栓」は放っておいても勝手に取れていきます。

問題は角栓を取り除くことではなく、角栓の材料の供給をストップすること、すなわち「毛穴の粉ふき状態」を改善することなのです。

過保護なケアで角栓は自然となくなる

角栓を解消するための方法は実にシンプルです。

ただひたすら「過保護なほどに肌をいたわったケアをしてあげること」に尽きます。

角栓は毛穴の粉吹き状態と言いました。ということは、肌荒れを起こして「白い粉」を吹いてしまった肌にするのと同じことをすればいいのです。

つまり、肌に優しいスキンケアです。

毛穴はすでに粉を吹くほどに傷んでいますし、脆く壊れやすくなっているため、普通よりもダメージを受けやすい状態にあります。

洗顔やクレンジングによる肌への負担を少しでも減らす。保湿のケアも攻めより守り重視で、肌が回復するのに都合のいい環境を整えてあげる。

過保護なくらいに肌をいたわってあげなければ、なかなか毛穴のコンディションは回復してきません。

肌や毛穴が受けるダメージが減り、回復するだけのゆとりが生まれてくると、徐々にターンオーバーが落ち着いてきます。

すると、毛穴から出る角質の量も減ってくるので、角栓は自然とできなくなります。もちろん、今ある角栓も徐々に押し出されてポロッと取れてきます。

毛穴をいじったりせずに、肌と毛穴を健康にすることだけを目標にしてスキンケアをつづけていけば、毛穴の角栓はちゃんと改善されていきます。

角栓の正しい対策方法

では、角栓を解消するための具体的なケア方法に入りましょう。

下に書いたポイントをしっかり守って対策をすれば、毛穴の角栓は数ヶ月で劇的に改善することができます。

角栓対策1)クレンジングを改善しよう

色々なタイプのクレンジング剤

日常的にメイクをする人にとって、角栓ができる最大の原因はクレンジングの強すぎる洗浄力にあります。

「角栓=毛穴の粉ふき状態」と考えれば、この点は容易に理解できるでしょう。

そのため、角栓に悩むのはクレンジングオイルやリキッド・ジェルなどを使っている人に多い傾向があります。

特にクレンジングオイルは角栓を生む最大の原因と言っても過言ではありません。

ただ困ったことに、角栓に悩む人ほど負担の大きいクレンジングを選んでしまいがちです。

オイルなどの強力なクレンジングは肌からモノを奪う力が強く、肌表面の角質も剥がれやすくなります。

結果的に角栓も取れやすくなるため、強力なクレンジングを介して毛穴をクルクルとやると、角栓が面白いようにポロポロ取れてくることもあります。

しかし、「角栓が取れた!」と喜んでいる場合ではありません。肌にしてみれば大迷惑な話で、また一からダメージの修復をやり直すことになります。

当然、出来の悪い角質が大量生産されることになり、毛穴がキレイに見えたのも束の間、あっという間にまた新しい角栓が詰まることになります。

そんなことを何度も繰り返していれば、毛穴部分の肌がすり鉢状に凹んで、角栓どころの話ではなくなってきます。

傷んだ毛穴には、肌に優しいクリームかミルクを使うようにしてください。

個人的には、毛穴ケアにはクレンジングクリームがおすすめです。もっとも肌に優しいタイプのクレンジングですし、メイク落ちにも優れています。

クレンジングは角栓を解消する上で最大の障害です。かならず肌に優しいクレンジングを選んで使うようにしてくださいね。

↓の記事で毛穴ケアにおすすめのクレンジングクリームを紹介しています。

角栓対策2)洗顔もひたすら優しく

洗顔のイラスト

洗顔も肌に負担をかけないことが大切です。

角栓を除去しようとするのはもってのほかです。

そもそも角栓はタンパク質の塊です。洗顔料の泡で落とせるようなものではありません。もし洗顔で角栓が取れるとしたら、それは指で擦ってしまっている証拠です。

洗顔ではその日のうちに分泌された皮脂を洗い流すことができれば十分です。やさしく泡を触れさせたらサッと洗い流すようにしましょう。

洗顔料選びに関しては、クレンジングほど影響力が大きいわけではありませんが、傷んだ毛穴に使うのですから、できるだけ刺激の少ない商品を選ぶようにしましょう。

特に、スクラブ・酵素・AHA・どろ・炭などの角質ケア成分が入っている洗顔料だけは避けるようにしてください。

洗顔時には角栓が水を吸って膨らみ、毛穴から飛び出してきます。下のイラストのような「白くてプヨプヨしたもの」に見覚えがあるはずです。

洗顔後に毛穴に白い角栓が…

この状態で角質ケア系の洗顔料を使えば、角栓(の飛び出している部分)を削り取るのは簡単なことです。一時的には毛穴がキレイになったように見えるかもしれません。

しかし、こんなものを除去したところで次の日にはまた同じように出てきますし、取れば取るほど毛穴の傷みは進行してしまいます。

洗顔時には角栓がふやけて目立つようになるので取りたくなる気持ちはわかりますが、30分もすれば再び縮んで目立たなくなりますので、少しのあいだ我慢しましょう。

角栓対策3)保湿のケアも忘れずに

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角栓を改善するためには保湿のケアも重要です。

角栓は「毛穴の粉ふき状態」でしたね。化粧水やクリームで上手に保湿すれば、それだけ角栓はできにくくなります。

毛穴が目立つ人には皮脂の分泌が活発な人が多いです。感覚的にはテカリやべたつきが出てくるので、保湿のケアを軽視しがちです。

しかし、これはいわゆる“インナードライ”の状態です。肌の表面が過剰な皮脂でべとついているのに反し、その下では肌の乾燥が進んでいます。

もともと、思春期のホルモンバランスの変化によるものを除けば、皮脂の分泌が盛んになるのは乾燥に対する肌の防御反応であることがほとんどです。

化粧品できちんと保湿してあげると皮脂の分泌量も次第に落ち着いてきます。

最近ではセラミド配合の化粧品など、保湿効果がとても高いものがありますので、角栓対策では保湿のケアもしっかり行うようにしましょう。

まずは1ヶ月つづけてみよう

以上、角栓の正しい対策方法について見てきました。

角栓を本気で解消したいと考えている人は、まずは1ヶ月間、徹底的に肌に優しいスキンケアを実践してみてください。

早い人なら1ヶ月ほどで角栓がなくなるはずです。

それまでに角栓の除去などで毛穴をいじめてきた人ほど時間がかかってしまいますが、肌に優しいスキンケアをつづけていれば、少しずつ角栓は改善されてきます。

軽い気持ちで角栓を除去して後悔するよりも、本当に効果のある対策を実践するようにしてくださいね。