・保湿力・保護力はそれほど高くないが、サラッとした使用感
・油分少なめ、シリコン多め
敏感肌用としてはもっとも有名な保湿クリームでしょう。ちょっと特殊な作りになっており、シリコン多め油分少なめといった内容です。疑似セラミドを肌に与えることに特化したクリームと言えます。シリコン独特のサラッとした使用感なので、油性度の高いこってり系のクリームが苦手な人に向いています。
花王キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム
2,484円(税込)/40g/使用目安:約1ヶ月半/トライアル:一応有り
花王キュレル潤浸保湿フェイスクリームの成分
商品の特性を理解するために、キュレルのフェイスクリームの成分を簡単に見ていきましょう。
キュレル潤浸保湿フェイスクリームの全成分表示
*は「有効成分」無表示は「その他の成分」
この保湿クリームの主役は、花王独自の疑似セラミドである「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」と「長鎖二塩基酸ビス3-メトキシプロピルアミド」です。
これらはセラミドと同じようなラメラ液晶構造を作る、簡単に言うと「セラミドっぽい」成分です。ヒト型セラミドほどの効果はないと言われていますが、肌の表面でバリアを補強する効果があるため、乾燥肌や敏感肌には一定の効果が望めます。
油剤はシリコーンオイル3種とスクワランです。
- 「シクロジメチコン」
環状シリコンの一種。揮発性を持つので肌にあまり残らない。 - 「トリシロキサン」
直鎖シリコンの一種。揮発性を持つので肌にあまり残らない。 - 「ジメチコン」
肌に残るタイプのシリコン。密閉性の高い皮膜を作る。 - 「スクワラン」
低刺激で感触の良い炭化水素油。
シリコンが3種類も入っていますが、上位2種は揮発性シリコンなので、つけた直後から蒸発しはじめて肌にはあまり残りません。シリコンの強すぎる皮膜力を心配する必要はないでしょう。
一方、シリコン以外の油分はスクワランが少量使われているだけです。「油分でフタ」をするタイプの保湿クリームではないことがわかります。
乳化剤は「POE・ジメチコン共重合体」と「イソステアリルグリセリルエーテル」が使われています。どちらも刺激の少ないタイプの非イオン性界面活性剤です。
あとは、消炎効果のある「アラントイン」が有効成分として配合されています。炎症を起こしがちな敏感肌を落ち着かせ、肌荒れを防止する作用があります。医薬部外品扱いで配合量も多そうなので、一定の効果が期待できるでしょう。
防腐剤は素直に「パラベン」を使っています。
全体的に肌に刺激を与えにくい設計になっていると思います。「キュレルだけは使えた」という口コミが多いのも頷ける内容です。
キュレル 潤浸保湿フェイスクリームの特徴
機能的には疑似セラミドを肌に与えることに特化しており、使用感的には油分ではなくシリコンが多用されている点に特徴付けられます。
疑似セラミドに期待するクリーム
キュレルのクリームは、シリコンとスクワランで肌を薄く皮膜しつつ、疑似セラミドの効果に期待する商品です。
疑似セラミドはいわゆる「ヒト型セラミド」に比べると効果が低いと言われていますが、代わりにコストが安いので配合量を多くすることができるというメリットがあります。
同じキュレルの乳液との価格差などから考えても、こちらのクリームには疑似セラミドがかなりの高濃度で配合されていることが予想されるので、肌のバリア機能が弱っている乾燥肌や敏感肌の人には一定の効果が期待できると思います。
一方で、油分が少なく疑似セラミド頼みなところがあるので、乾燥からの保護力には少々不安が残ります。実際、キュレルのクリームだけでは乾燥するということで、クリームの上からワセリンを塗るなどして油分を足している人も少なくないようです。
フタとしての機能は低く、あまり保湿クリームらしくない商品とも言えます。
好みの分かれそうな使用感
つけ心地はまさしく「ああ、シリコンだなあ」という感じです。一般的な保湿クリームのような油性感はなく、シリコーンオイル独特のサラサラした感触です。保湿クリームとしてはかなり特殊な使用感なので好き嫌いが分かれそうです。
また、成分の大部分(水分と揮発性シリコン)が蒸発していくため、時間が経つと消えてしまったように感じるクリームでしょう。
ある程度厚く塗らないと保護不足になります。公式の推奨する使用量も普通の保湿クリームの2倍くらいの量になっていますね。指定量を守って使うことを前提にすると、あまりコスパが良いとは言えないかもしれません。
キュレル潤浸保湿フェイスクリームの口コミは?
@コスメで長いこと保湿クリーム部門第一位を取っている商品です。ドラッグストアなどにも置いてあるので、手軽に買うことができるという点も大きいでしょう。
口コミを見ていると、刺激を感じたという人はさすがに少ないです。敏感肌用のクリームとしてはもっとも大事なところなので、この点では非常に優秀な商品であると言えます。
完全に敏感肌向けの処方になっていますが、肌が健康な人が軽いつけ心地のクリームとして使っているケースも多いようです(個人的には健康肌の人はもっと機能性の高い乳液などを使った方が得だと思いますが)。
高評価は「敏感肌でも使えた」「サラッとしてつけ心地が良い」「化粧の乗りが良い」などが多いです。刺激の少なさやシリコーンオイルの使用感を気に入っている人が多い印象です。
低評価は「つけても肌が乾燥する」「保護力が足りない」などになります。やはり乾燥からの保護力に不満を抱いている人が多いですね。
つけると肌にハリツヤが出るという口コミも多いですが、疑似セラミドにそういった直接的な効果はないので、これは肌を覆っているシリコンのハリツヤですね。
まとめ:
普通の保湿クリームには刺激を感じてしまうけれど最低限の保護ケアはしておきたいという人向けですね。また、油分の多いクリームを塗ると肌が荒れるという人にも向いているでしょう。
一方、肌の乾燥度合いが強い人や、暖房やクーラーの効いた空間で過ごすような人にとっては、保護力不足な面も否めません。乾燥からしっかり肌を保護したい人はもっと油分の多いクリームの方が向いているでしょう。
トライアルに関しては、20日間お試し用が一応ありますが、なぜか保湿クリームが1日1回使用で計算されていて内容量が少ないです(別セットの乳液の方は1日2回計算になっています)。
トライアルにはクレンジングや洗顔料もついてきますが、キュレルシリーズの主役は乳液かクリームだと思うので、これなら最初から現品を買った方が経済的かなと思います。
なお、キュレルの乳液の方は成分表や価格差から考えて、キュレルの売りである疑似セラミドの配合量がクリームよりも少ないことが予想されます。クリームの方も最終的なつけ心地は乳液に近いものなので、あえて乳液を選ぶメリットは少ないと思います。
Amazonで買う→「キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム」
他の選択肢は?
同じセラミドに期待する保湿クリームとしては小林製薬のヒフミドという選択肢もあります。こちらは疑似セラミドではなく、もっとも効果が高い「ヒト型セラミド」を高配合している商品です。キュレル同様に油分少なめの軽いクリームです。さすがに値段はワンランク上になってしまいますが、評判が非常に高く、セラミドの効果をしっかり体感できるクリームになっているのでおすすめです。
油分多めでもOKという人には、サッポーのエスカバー(敏感肌用クリーム)もおすすめです。セラミドは入っていませんが、低刺激仕様でありながら油分をしっかりと含み、保護力と保湿力のバランスが良い保湿クリームです。