角栓にクレンジングオイルはおすすめできない

クレンジングオイルのイラスト

クレンジングオイルの使用は角栓ができる最大の原因です。

口コミウォッチングをしていても、角栓に悩んでいるのは圧倒的にクレンジングオイル使用者に多い印象があります。

そうでありながら、できてしまった角栓を取り除く能力はいちばん高いという曲者です。

そのため、角栓に悩む人ほどクレンジングオイルを使ってしまうという悲劇的な状況が生まれています…。

今回は、クレンジングオイルで角栓ポロポロなんてやっている場合じゃないよ!というお話です。

クレンジングオイルは角栓ができる最大の原因

まずはなぜクレンジングオイルが角栓ができる原因になるのかを見ていきましょう。

角栓は「毛穴の粉ふき状態」

角栓をわかりやすく表現すると「毛穴の粉ふき状態」になります。

肌は何かしらのダメージを受けると、表面にある角質がポロポロ剥がれてきます。

例えば、肌荒れ時には肌表面の角質が剥がれてきて「白い粉」を吹いたようになります。また、頭皮がダメージを受けると角質がまとまって剥がれて「フケ」が生じます。

これと同じことが毛穴部分の肌で起きたものが「角栓」です。

毛穴部分の肌がダメージを受けると、毛穴の内側で角質がポロポロ剥がれます。

すると、剥がれた角質が皮脂と混ざり合って大きなかたまりになり、毛穴からスムーズに排出されなくなります。

こうして毛穴の出口を塞ぐようになると角栓の出来上がりです。

角栓ができる仕組み

角栓として毛穴に詰まっているのは「毛穴が吹いた白い粉」であり、「毛穴から出たフケ」です。単なる毛穴汚れではないのですね。

なぜクレンジングオイルが角栓の原因になるのか?

クレンジングオイルの使用で角栓ができるのは、その強すぎる脱脂力に原因があります。

クレンジングオイルはメイクがするりと落ちるので人気がありますが、肌へのダメージは非常に大きいです。

メイクを落とすときには毛穴部分の肌にもクレンジング剤が触れます。

すると、その部分から保湿成分やセラミドなどが溶かし出され、角質も必要以上に剥がされてしまいます。

ダメージを受けた毛穴部分では表面の角質がポロポロ剥がれるようになり、皮脂と合体して毛穴に詰まってしまいます。こうなると角栓の出来上がりです。

要は、クレンジングオイルの強すぎる洗浄力によって「毛穴の粉ふき」が起きやすいのですね。

クレンジングオイルを使うと皮脂の分泌も活発になる

脂性肌のイラスト

クレンジングオイルにはもう一つ、角栓ができやすくなる理由があります。

それは、クレンジングオイルを使うと皮脂の分泌量が増える傾向があることです。

クレンジングオイルの強すぎる洗浄力は肌の乾燥を招きます。

そして乾燥に晒されたときに肌が最初にすることは、皮脂の分泌量を増やすことです。

皮脂の分泌が活発になると角栓ができやすくなりますので、この点でもクレンジングオイルの使用は角栓の原因になってしまうのです。

角栓対策にクレンジングオイルはおすすめできない

dame_woman

最初に述べたように、クレンジングオイルは角栓ができる最大の原因でありながら、できてしまった角栓を取り除く能力はいちばん高いという代物です。

そのため、後者のわかりやすい側面だけが取り上げられて、しばしば角栓対策にクレンジングオイルが勧められることがあります。

しかし、それでは角栓がどんどん悪化していくことになります。

クレンジングオイルは角栓を悪化させる

実際に使っている人ならわかると思いますが、クレンジングオイルで角栓をキレイに除去しても、すぐにまた詰まります。

それも、一日二日という早さで元通りです。

「クレンジングオイルを使ったら角栓がキレイに取れた」という人は大勢いますが、「クレンジングオイルを使ったら角栓ができなくなった」という人はいないはずです。

結果として「取る→またすぐ詰まる→取る→またすぐ詰まる……」ということを無限に繰り返すことになります。

そうしているうちに、徐々に角栓ができるペースが早くなっていきます。「毛穴の粉ふき状態」がどんどん悪化していくためです。

最終的に毛穴の周りがすり鉢状に凹み、自然な排出が不可能なレベルにまで角栓が大きくなってしまうこともあります。

見た目の上では一進一退を繰り返しながら、しかし確実に毛穴の傷みは進行し、いざ真面目に治そうとしたときに治りにくくなってしまうのです。

最初から正しい対策をしていれば1ヶ月でキレイに解消できたものが、クレンジングオイルを使ったために数年単位の話になっていた、なんてこともけっして珍しくはないのです。

クレンジングオイルでの毛穴マッサージは絶対にダメ

たまに、メイクをしない男性などで、毛穴をクレンジングオイルでマッサージして角栓を取ろうとする人がいます。

しかし、悪化を招くだけなので絶対にやめてください。

これはいわば「クレンジング版毛穴パック」のようなものです。毛穴パックが粘着力でやっていることを、クレンジングの洗浄力でやっているに過ぎません。

毛穴の汚れをとろうと、オイルクレンジング料でマッサージする人がいますが、それでは洗剤で肌をマッサージしているようなものです

吉木伸子『スキンケア基本事典』p52

上の引用でも言われていますが、クレンジングはあくまでも洗剤の一種であるということを忘れないようにしましょう。

角栓ケアにはクレンジングクリームがおすすめ

クレンジングクリーム
角栓に悩む人には、クレンジングクリームがおすすめです。

角栓はわざわざ取り除かなくても、肌に優しいスキンケアをつづけて肌のターンオーバーを整えていけば自然となくなります。

優しさ重視でケアしていれば肌の粉ふきが改善してくるように、毛穴の粉ふきである角栓も同じように解消していきます。

逆に、角栓を取り除こうとして肌に負担の大きいクレンジングを使っていたら、角栓はいつまでもなくなりません。

オイル以外でも、リキッドやジェルなどのクレンジングは脱脂力が強いものが多く、角栓ができやすくなってしまう傾向があります。

その点クレンジングクリームは、

  • クレンジングの中でもっとも肌に優しい
  • 肌が乾燥しにくい
  • (オイルに次いで)メイクもよく落ちる

と3拍子揃ったクレンジングです。

クレンジングクリームは界面活性剤(洗浄剤)の使用量が少なく、肌にほとんどダメージを与えることなくメイクを落とすことができます。

また、クレンジングの中では断トツで肌が乾燥しにくいです。

クレンジングオイルとクレンジングクリームを比較した実験が、小西さやかさんの本の中で紹介されていたので引用しておきます。

オイルのほうがクリームより約3.75倍水分蒸散量が多かったという結果が出ています。つまりクレンジングオイルのほうがクレンジングクリームより約3.75倍乾燥しやすいということなのです。

小西さやか『なまけ美容入門』p20(強調は原文)

肌が乾燥しなくなれば、盛んになっていた皮脂の分泌も次第に落ち着いてきます。

角栓はできにくくなるのはもちろん、肌のテカリやニキビなどにも有効です。

↓の記事で角栓対策におすすめのクレンジングクリームを紹介しています。参考にしてみてください。

まとめ

以上、クレンジングオイルが毛穴の角栓におすすめできないというお話でした。

クレンジングオイルは角栓がポロポロ取れて気持ちがいいかもしれませんが、実際のところは、角栓が余計に悪化するだけです。

肌に優しいクレンジングをつづけていると、角栓は自然とできなくなっていきます。