現在、女性の4人に3人は乾燥肌の持ち主だと言われています。乾燥肌はもはや国民病の一つと言ってもいいくらいポピュラーなお肌の悩みです。
しかし、乾燥肌はスキンケアのちょっとした心がけ一つでわりと簡単に改善することができる肌トラブルでもあります。
このカテゴリでは乾燥肌を改善するためのスキンケアを詳しく解説しています。本当に正しいケア方法を実践し、乾燥肌を一抜けしちゃいましょう。
1)乾燥肌とは?
乾燥肌は単に「肌の水分量が低下している状態」と捉えられがちです。
しかし、実際には肌が乾燥すること自体は二次的なものであり、真の問題はもっと別のところにあります。
まずは乾燥肌がどのような肌状態なのかを理解することから始めましょう。
肌=角質層
乾燥肌と言うときの「肌」とは、具体的には角質層のことを指します。
角質層はタンパク質と脂質からなる薄い層で、皮膚のいちばん上を覆っています。私たちの日常感覚で言えば、皮膚のいちばん上にある白い薄皮の部分です。
ラップでくるまれたおにぎりのように、人体は角質層によって覆われています。しかし、ラップと違うのは、角質層自体にも水分が含まれており、それが角質層の柔軟性やみずみずしさを担っているという点です。
乾燥肌で問題になるのは、皮膚全体の乾燥ではなく、皮膚の表面を覆っているラップ=角質層の乾燥です。
角質層にある2つの保湿成分
本来、空気と触れるものからは水分が蒸発していくのが道理です。濡れた新聞紙を放置しておくとカピカピに乾きます。
肌の表面にある角質層は生きた組織ではありません。無構造な物質という点では新聞紙とそれほど変わりません。にも関わらず、角質層は新聞紙のようにカピカピに乾いてしまうことはありません。
これはひとえに、角質層の内部に細胞間脂質とNMF(天然保湿因子)という2つの保湿成分が存在しているためです。
角質層の内部では2つの保湿成分が水分をがっちりと捕まえています。そのおかげで空気と接しているにも関わらず、水分が蒸発していくことがないのです。
もし角質層にこれらの保湿成分が存在しなかったとしたら、水分はフリーの身になりますから、どんどん蒸発していき、肌の表面はカピカピになってしまうでしょう。
乾燥肌=保湿成分が減少した肌
もうおわかりだと思いますが、乾燥肌の人では角質層内部にある保湿成分の量が減少しています。細胞間脂質も減っていますし、NMFも減っています。
蒸発に抗って水分を抱えておいてくれる成分が減るわけですから、当然、角質層に留めておける水分量も減少してしまいます。
乾燥肌は水分不足と言うよりは、保湿成分不足と言ったほうが正確です。角質層内部の細胞間脂質やNMFの減少が本質的であり、水分量の低下はその結果に過ぎないのです。
2)乾燥肌の原因
なぜ肌に含まれている細胞間脂質やNMFが減少してしまうのでしょうか?
乾燥肌を生まれつきのものだと考えている人も多いですが、実際には9割以上はスキンケアによる影響です。
角質層は皮膚の表面にあるため、スキンケアの影響をもろに受けます。肌表層の保湿成分はほとんど剥き出しの状態にあると言ってよく、それだけにちょっとしたことで簡単に失われてしまいます。
具体的に乾燥肌になってしまうまでの道のりには、以下のようなお決まりのパターンがあります。
洗顔やクレンジングで肌の保湿成分が流出する
乾燥肌の最大の原因になるのは、洗顔とクレンジングです。
洗顔料やクレンジング剤の洗浄力は、肌表層の保湿成分を直接的に溶かし出します。
自覚こそありませんが、洗顔やクレンジングをすれば多かれ少なかれ保湿成分は必ず流出するものだと考えてください。
それだけに少しでも洗いすぎていたり強すぎる洗浄剤を使ったりすると、肌表層から保湿成分が過剰に流出していき、肌の表面がカサカサの乾燥肌になってしまいます。即座に肌の乾燥を招きます
肌のターンオーバーが昂進する
洗顔やクレンジングなどによって肌の保湿成分が失われると、今度は保湿成分の産生量そのものが減少するという二次被害が起こります。
肌のバリアとしての機能は、脂質と水分の適度なバランスによって担われており、それらが減少するとバリア機能も著しく低下します。
すると、肌はあわてて細胞を生み出し、新しい肌を作ろうとしはじめます。損なわれた肌バリアを埋め合わせるためです。
しかし、このように急ピッチで作られた肌には保湿成分が十分には作られません。とにかく早く埋め合わせることに精一杯で、じっくり保湿成分まで作っている余裕がないためです。
損なわれた肌バリアの修復に追われ、肌細胞の代謝活動にゆとりが失われると、保湿成分の産生量そのものが減少してしまうのです。
肌が乾燥するようになり悪循環に
肌のターンオーバーが昂進した状態が続くと、肌は負のスパイラルに陥ります。
バリア機能が弱いから、ターンオーバーが昂進する。ターンオーバーが昂進するから、バリア機能の高い肌が作られない……。
一度このような悪循環に陥ってしまうと乾燥肌が慢性化します。
保湿成分不足が常態化し、出来の悪い肌を急ピッチで入れ替えつづけることでそれをなんとかごまかす、急場しのぎを繰り返すような状態に陥るのです。
自覚症状があるほどの乾燥肌であれば、すでにこの負のスパイラルのまっただ中にいると考えて間違いありません。
その他の原因
洗顔とクレンジング以外にも、肌にダメージを与えるような行為はすべて乾燥肌の原因になり得ます。
影響力の大きいものでは、紫外線・肌を擦る刺激・余計な角質ケアなどが挙げられます。それ以外の原因については以下の記事にまとめてあるので参照してみてください。
3)乾燥肌を改善するためのポイント
次に乾燥肌を改善するために最低限知っておきたいポイントを解説します。
洗顔とクレンジングで8割決まる
乾燥肌にもっとも効果のある対策は、洗顔とクレンジングのやり方を変えることです。
乾燥肌の人はたいてい洗顔とクレンジングのやり方に問題があります。丁寧すぎる洗顔をしていたり、強すぎるクレンジング剤を使っていたり……。
洗顔のやり方一つ、クレンジングのやり方一つで、肌から失われる保湿成分の量はまったく変わってきます。
それだけに洗顔やクレンジングの方法を見直すと肌の乾燥に劇的な効果が期待できます。乾燥肌の改善を目指すなら、まず真っ先に洗顔とクレンジングを見直しましょう。
保湿は大切…でも頼りすぎはNG
乾燥肌には保湿のケアが必須です。
適切な保湿をしてあげると肌のバリア機能が少し改善され、肌の代謝活動にゆとりが生まれます。そのゆとりは肌が回復するためのチャンスになります。
ただし、保湿に頼りすぎるのもNGです。
保湿ケアの目的は、あくまでも肌自身の保湿力を高めることにあります。けっして肌の乾燥をごまかすために保湿をするわけではありません。
保湿は大切ですが、それだけで乾燥肌が治ることはありません。あくまでも乾燥肌改善のサポート役と捉えておきましょう。
肌の保湿力アップは難しくない
肌の保湿成分は「一度失われるともう取り戻せない」というものではありません。
肌は毎日新たに保湿成分を作りつづけています。もともと、角質層が約1ヶ月という短い周期で細胞を総入れ替えするのは、一時的に肌状態が悪化してもすぐに元に戻せるようにするためです。
慢性化した乾燥肌でも正しいスキンケアを心がければ、肌の保湿力はどんどん蓄積されていきます。肌に含まれる脂質や水分が増えるので、見た目的にも肌がふっくらしてくるのが実感できるはずです。
4)乾燥肌を改善するためのスキンケア
では、乾燥肌を改善するためには具体的に何をどうすればいいのか?
乾燥肌を改善するために必要なのは、肌自身の保湿力を高めるトータルなスキンケアです。この化粧水を使えば、あの美容法を試せば、という発想ではダメなのです。
乾燥肌は真面目に取り組めば着実に改善することができる肌状態です。すべきことをしっかりとこなしていきましょう。
1)クレンジング
クレンジングは肌を乾燥させる最大の原因です。それだけにクレンジングの見直しは乾燥肌改善にもっとも効果のある対策になります。肌の乾燥に困ったら、真っ先に取り組むべきポイントです。
⇒ 劇的に肌が乾燥しなくなる!乾燥肌に最適のクレンジングの方法
メイク落としに使うクレンジング剤は化粧品の中でもっとも肌に悪く、同時にもっとも商品差の激しいアイテムでもあります。どのような商品を使うかによって、クレンジング時に失われる肌の保湿成分の量が大きく変わってきます。くれぐれも慎重に選びましょう。
2)洗顔
洗顔はクレンジングに次ぐ乾燥肌の原因です。洗顔の場合、何よりもまずは正しい洗顔方法を学ぶことが重要です。ほとんどの人は洗いすぎの洗顔をしており、それが毎日繰り返されて保湿成分の絶えざる流出を招いています。
毎日2回も肌を洗浄するものですから、肌に優しい洗顔料を選ぶことが大切です。乾燥肌では肌のバリア機能が低下しています。普通の人よりも少し気を遣った洗顔料選びが必要になります。
⇒ 乾燥肌の人におすすめの洗顔料~シンプルで低刺激な3つの洗顔石鹸
3)保湿
乾燥肌といえば保湿。ほとんどの人が保湿ケアをすでにしていると思います。しかし、本当に乾燥肌に効果のある保湿ができているでしょうか。保湿の意義を正しく理解した上で、本当に効果のある保湿ケアをマスターしましょう。
化粧水や乳液・保湿クリームなどの商品には様々な種類があります。たくさん種類がありすぎていったいどれを使えばいいのかよくわからない…という方も多いでしょう。ここでは乾燥肌に適した保湿化粧品の選び方、それから具体的なおすすめ商品をまとめています。