「乾燥肌にはどのような化粧水が向いているの?」とお悩みではありませんか?
乾燥肌は肌が弱りぎみな状態です。刺激の強い商品だと肌にしみたり炎症を引き起こしたりすることもあるため、よく考えて化粧水を選ぶ必要があります。
今回は乾燥肌の人が化粧水を選ぶときのポイントと、具体的なおすすめ商品を紹介します。
1)化粧水の種類と違い
乾燥肌におすすめの化粧水を述べる前に、「そもそも化粧水にはどのような種類や違いがあるの?」というところから話をします。
「しっとり」「さっぱり」「低刺激」
保湿用の化粧水をおおざっぱに分類すると3タイプに分けられます。
※あくまでも一つの目安です
- しっとりタイプ:
保湿力が高いが、人によってはべたつきを気にする。もっとも標準的な化粧水。 - さっぱりタイプ:
保湿力はそれなりだが、べたつきにくい。アルコールの使用量が多めに設定されていることが多い。 - 低刺激タイプ:
刺激が少なく染みたりする可能性が低い。アルコール不使用のものが多い。保湿力はそれなりだが、使用感などがあまり良くないことも。
キーワードは「しっとり」「さっぱり」「低刺激」です。
メーカーのラインで「乾燥肌用」「脂性肌用」「敏感肌用」と分かれている場合も、だいたい上の3タイプに対応していることが多いです。
最近では「しっとり」の上に「とてもしっとり」を用意しているメーカーが増えてきました。とはいえ、「しっとり」と「とてもしっとり」の違いは保湿能の高低というよりも、テクスチャーの好みに対応したものなのかな?という印象を受けます。成分表を見る限り、分子の大きい成分やオイル成分を加えることでテクスチャーにとろみをつけてあるものが多いようです。
最大のポイントはアルコールの使用量
3タイプの化粧水のもっとも大きな違いはアルコール(エタノール)の配合量にあります。成分表では「エタノール」または「変性アルコール」と表記されます。
- しっとりタイプの化粧水:10%前後
- さっぱりタイプの化粧水:15%前後
- 低刺激タイプの化粧水:0%が多い
平均的なところで言うと、それぞれ上記程度のアルコール配合量になっていることが多いです(もちろん例外はいくらでもあります)。
しっとりよりもさっぱりの方が配合量が多いのは、アルコールの持つ清涼効果に期待しているためです。さっぱりした使用感になるため、べたつきやすい脂性肌向けの商品によく見られます。
こうして比べてみると、化粧水の中でもアルコールの使用量には大きな差があることがわかるでしょう。
アルコール濃度が高いと使える肌が限定される
なぜアルコールの配合量が重要かというと、アルコール量が増えるほど使える肌が少なくなってくるためです。
もちろん、アルコール自体に肌への毒性はありません。注射の前に消毒として肌に塗られるのもアルコール(この場合の濃度は70%ほど)です。
しかし、バリア機能が低下した肌にはアルコールが刺激になり得ます。
化粧水が肌に染みる!というときは、アルコールに反応していることが大半です。
アルコール成分が痛んだバリア層を通り抜けて肌の奥まで侵入すれば、誰の肌であっても刺激を感じます。傷口をアルコール消毒すると染みるのと同じことですね。
肌が弱っているほど・アルコールの濃度が高いほど、肌が刺激に反応する可能性は高くなります。
イメージとしては以下のような具合です。
=しっとり・さっぱり・低刺激のどれでも平気。
ちょっと弱った肌
=さっぱりには刺激を感じることも。しっとり・低刺激は平気。
かなり弱った肌
=しっとりにも刺激を感じるように。低刺激しか使えない過敏な状態。
アルコールは化粧水を作る上でとても優秀な働きをします(だからこそ大半の化粧水に使われています)。しかし、肌が弱っていると使うことができなくなってしまうのですね。
主目的は“可溶剤”としてです。化粧水の大部分は水です。親水性の成分なら簡単に溶かすことができますが、疎水性の成分を溶かし込もうと思ったら一工夫が必要になります。アルコールは水と油の中間的な性質を持つので、疎水性の成分を溶かし込むための溶剤として非常に便利な存在なのです。
安易に「低刺激」を選ぶのは損をする
「しっとり」「さっぱり」「低刺激」。
こうして並べられると、なんとなく「低刺激タイプ」の化粧水を選びたくなる人も多いと思います。乾燥肌の人は肌が弱り気味なことがほとんどですしね。
しかし、標準的な商品に比べて「低刺激」ということは、必ず何かしらの犠牲を払っているということも忘れてはなりません。
具体的に言えば、使用感が悪い・性能が低い・完成度が低い・コスパが悪い(性能の割に値段が高い)、このうちの少なくともどれか一つは覚悟する必要があります。
逆に言うと、標準的な商品が使える人が低刺激タイプを使うのはちょっともったいないことをしているとも言えます。
闇雲に低刺激に流れるのではなく、自分の肌状態を考えた上で最適な選択をすることが大切です。
2)乾燥肌におすすめできる化粧水とは?
以上のような化粧水の違いを踏まえた上で、「乾燥肌にはどのような化粧水がおすすめなのか?」を見ていきましょう。
基本的にはしっとりタイプでOK
乾燥肌の人は、基本的には素直にしっとりタイプの化粧水を選ぶのが正解です。
しっとりタイプの化粧水は、
- 保湿力が高い
- アルコールの配合量が標準的(特別多くない)
という特徴があります。弱りがちな乾燥肌にとってはどんぴしゃの条件です。
テクスチャーに関してはある程度は好みの問題になりますが、必ずしも「ねっとりしている=保湿力が高い」というわけではないということは覚えておきましょう。
現在の化粧品技術からすればテクスチャーを変えることくらい造作もありません。例えば、ほんの少しポリマーを入れるだけで高級感あふれるまったりしたテクスチャーになります。
最終的には自分の肌で試してみて心地よく使えるものを選びましょう。
肌に素早くなじみ、過不足なく肌が保湿されているように感じられるものが理想的です。
しっとりタイプでは刺激を感じる人は?
しっとりタイプの化粧水のアルコール使用量は10%程度が相場です。このくらいであれば乾燥肌の人でもほとんどの人が問題なく使うことができます。
しかし、重度の乾燥肌の人だと、アルコールに対して刺激を感じてしまうことがあります。
- 化粧水が肌に染みる
- ヒリヒリ・ピリピリ・チクチクする刺激を感じる
- 肌に痒みや赤みが出る
これらの症状が出た場合、その化粧水を使うことはできません。
「しばらくすると収まってくるから…」と我慢して使いつづけるのは絶対にNGです。無理して使いつづけていると赤みやぷつぷつができてくる危険性があります。
過敏な肌には低刺激タイプの化粧水を
しっとりタイプが使えない場合は、低刺激タイプの化粧水を使うようにしましょう。
そのときには「アルコールフリー」が一つの目安になります。
肌が化粧水に拒否反応を示す原因は、アレルギーなどによるものも考えられますが、数として圧倒的に多いのはやはりアルコールの刺激によるものです。
アルコール不使用の化粧水を選んでおけば、肌が刺激に反応してしまう可能性はぐっと低くなります。
炎症を起こすと肌は大ダメージを受けてしまいます。肌が過敏になっているときは、必ず低刺激タイプの化粧水を使うようにしてください。
肌の健康状態がある程度回復してきたら、標準的なしっとりタイプの化粧水も使えるようになります。
基本的には、アルコールフリーであれば低刺激を意識した設計になっていることが大半です。とはいえ、刺激の強い成分はアルコールだけではありませんから、100%そうだと言い切ることはできません。特にプチプラ系の化粧水の中には、「アルコールフリー=敏感肌用」を謳いながら刺激性の強い成分を使っている商品もちらほら見かけます。注意しましょう。
3)乾燥肌におすすめできない化粧水は?
今度は逆に、「乾燥肌におすすめできないのはどのような化粧水か?」を見ていきましょう。
さっぱりタイプの化粧水
乾燥肌でわざわざ選ぶ人はあまりいないとは思いますが、さっぱりタイプの化粧水はおすすめしません。
すでに述べたように、さっぱりタイプの化粧水はアルコールの配合量が多い傾向があります。
弱った肌には刺激になってしまう可能性が高く、乾燥肌の人には少々ハードルが高いです。
また、単純に保湿力を抑え気味にしている場合もあり、こちらも乾燥肌の人にとってはあまり有り難いことではありません。
美白化粧水
最近の化粧水には美白剤を配合しているものも多くなっています。
しかし、美白剤は炎症を起こしやすい成分の筆頭です。
美白剤は表皮の奥にまで浸透させないと効果を発揮しません。当然、肌が炎症を起こすリスクは高くなります。
乾燥肌の人は普通の人よりも炎症を起こしやすい肌状態にあります。皮膚炎を起こすと肌は大ダメージを受けますし、炎症反応によるシミなどもできやすくなります。
そもそも、化粧水に美白剤を混ぜてもそこまで大きな効果は期待できません。保湿効果と美白効果を両立させようとすると、どちらも中途半端になりがちです。
もし美白剤を使いたい場合でも、その役は美容液に任せて、化粧水は保湿に専念させることをおすすめします。
プチプラ系化粧水
健康な肌ならそこまで神経質になる必要はないと思いますが、弱った肌にプチプラの化粧水を使うのは個人的にはあまりおすすめしません。
しばしば「化粧水の大部分は水。原価はほとんどかかっておらず、化粧水の値段はほぼ広告費」みたいなことが言われます。
実際、化粧水の原価がそれほど高くないのは事実だと思います。しかし、化粧品を作るためには材料費以外にも、研究費や設備費、品質管理や安全性のテストなど様々なコストがかかります。
標準的な価格よりも安いということは、必ずどこかでコストカットが起きています。
個人的には、どんなに安くても1000円以上の化粧水を使った方が失敗が少ないだろうと考えています。
4)乾燥肌におすすめできる具体的な商品
最後に、乾燥肌におすすめできる化粧水の具体的な商品名を挙げておきます。
※公式にトライアルが存在する商品に関してはトライアルの方にリンクしています。それ以外はAmazonへのリンクです。
化粧水は肌への浸透性が高いので、合う合わない(というよりも使える肌状態かどうか)がはっきりと分かれます。トライアルがある場合はまずそちらで試してから現品を買った方がいいと思います。
しっとりタイプのおすすめ化粧水
まずはしっとりタイプのおすすめ化粧水です。アルコール配合量が標準的なものを選んでいます。
※アルコール不使用ではありませんので、アルコールフリーでないと受け付けないという方は次項の「低刺激タイプ」の方を参照してください。
おすすめ1)サッポー スキンローション(しっとり化粧水)
高い保湿力・(潤っている感の演出等の)誤魔化しのなさ・美白剤などの余計な成分が入っていないなど、とても完成度の高い化粧水だと思います。
過大なアピールやイメージ戦略を利用しないメーカーの信頼度の高さもポイントです。
ただ、メーカー自身が注意しているように、アルコールはしっとりタイプとして標準的な配合量になっているので、肌が極度に過敏になっている人には使うことができません。あくまでも健康肌~乾燥肌までを対象にした商品です。
公式通販にトライアル(初回利用限定・要アンケート回答)があります。
低刺激タイプのおすすめ化粧水
以下はアルコールフリーの化粧水です。アルコールに反応してしまう過敏な肌にはこちらを選びましょう。
おすすめ1)ノブ Ⅲ フェイスローション R(しっとり)
低刺激という点ではノブの右に出るものはいないでしょう。
試しに上のリンクからAmazonの評価を見てみてください。普通、どれほど優れた化粧水であっても中には肌に合わない人がいて低評価がつくのが当たり前ですが、ノブの化粧水にはほとんど見られません。
レビューの中にも多々見られるように、他社の化粧品にかぶれた人が皮膚科で勧められることも多い商品です。
ノブⅢよりもさらに低刺激仕様になっているノブⅡ(おそらく日本でもっとも低刺激な化粧水でしょう)もありますが、よほど肌が過敏になっている人でなければノブⅢの方でも十分安心して使えると思います。
合わないものが多くて化粧水ジプシーをしているという方には、是非ともおすすめしたい商品です。
おすすめ2)小林製薬 ヒフミド エッセンスローション
人気の高いヒフミドシリーズの化粧水です。いまやセラミド市場の王者なので、一度は聞いたことがあるかもしれません。
成分表を見てわかるようにアルコール不使用です。
ヒフミドの良いところは「ヒト型セラミド」を配合していて単純に保湿力が高いというのもそうなのですが、もとが製薬会社だからか「保湿によって肌を健康にする」という点にのみ焦点を当てている点です。
アルコールフリーでありながら、高い保湿力も兼ね備えた優れた化粧水だと思います。
ヒフミドシリーズはクリームの方も素晴らしい商品なので、化粧水+クリームのラインで使うのがおすすめです。
トライアルで化粧水とクリームを両方試すことができるので、まずは一度使ってみるといいと思います。
まとめ
以上、乾燥肌におすすめの化粧水を見てきました。
ポイントを簡単にまとめると、
- 基本的にはしっとりタイプを選ぶ
- しっとりタイプに刺激を感じる場合は低刺激タイプを選ぶ
の2点になります。
化粧水はテクスチャー・保湿具合・肌への浸透性などで大きく好みが分かれる商品だと思います。
最終的には自分の肌で試してみて「自分にはこれが合っている!」と思えるような化粧水を探してくださいね。