乾燥肌の人にとって理想的な保湿ケアとは?正しいやり方をマスターする

乾燥肌の正しい保湿ケア

乾燥肌に本当に効果のある保湿ケアができていますか?

肌の乾燥には保湿が大切!──もはや美容の常識です。しかし、実際には「ちゃんと保湿ケアをしているのに乾燥肌が治らないよ?」という人がほとんどだと思います。

また、化粧水・美容液・乳液・クリーム……色々な商品がありすぎて、いったい何をどう使うのが効果的なのか?がよくわからないという方もいるでしょう。

今回は、本当に効果のある保湿ケアのやり方について解説していきます。正しい保湿をマスターして、乾燥肌を改善していきましょう。

1)乾燥肌が求める保湿の条件

まず最初に、乾燥肌の改善にはどのような保湿が必要とされるのかを確認しましょう。

保湿の目的は?

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保湿をする目的は、肌自身の保湿力を向上させることにあります。意味のない保湿にならないためにも、目的意識をはっきり持つことが大切です。

乾燥肌が治りにくい理由

乾燥肌は肌の育ちが悪く、保湿力が低下した肌状態です。放っておけば肌の表面が乾燥してカサカサになります。

このような状態だと肌は健やかな代謝活動ができなくなり、保湿力の低い肌しか作れなくなってしまいます。乾燥によって肌のバリア機能が低下し、それを埋め合わせるために大急ぎの代謝を強いられるためです。

保湿力の高い肌を作るためには、肌が安心して代謝できるようなコンディションが必須条件になります。しかし、乾燥肌ではそれが難しくなっているため、いつまで経っても乾燥しやすい肌しか生まれてこないのです。

肌にとって有利な環境づくり

保湿の目的は、肌にとって快適な環境を作ってあげることによって、肌自身の保湿力を高めることにあります。

化粧品の成分がそのまま肌の養分になるわけではなく、化粧品によって快適な環境を与えられたために、肌が健康に育って保湿力の高い肌が作られるのですね。

乾燥肌を治すのはあくまでも肌自身の回復力です。保湿の役割は肌にとって快適な環境を作り出し、肌の回復をサポートすることなのです。

環境が整うと保湿力はぐんぐん伸びてくる

慢性化した乾燥肌であっても、保湿力の高い肌の作り方を忘れてしまったわけではありません。ただ、肌のコンディションが悪すぎるために、正常な肌を作ることができないだけなのです。

上手に保湿をしてあげると、肌の置かれている環境は一変します。保湿によって生まれたゆとりは肌の回復力を存分に発揮させることにつながり、肌の保湿力はじわりじわりと日増しに伸びていくようになります。

効果的な保湿をするための2つの条件

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本当に効果的な保湿をするためには、以下の2つの条件を満たすようなコンディションを整える必要があります。

条件1:水分量が高い状態を維持すること

乾燥すると肌は硬化して脆くなります。カサカサの肌を擦ると表面の角質がポロポロと剥がれ落ちてきますね。このような状態の肌は非常にバリア機能が弱くなるため、肌の水分量が多い状態をできるだけ長時間保つことが必要です。

条件2:刺激から保護されていること

こちらは「保湿」と言うよりも「保護」と表現すべきかもしれません。潤いを与えて肌を柔らかくしただけでは肌はまだ十分に守られていません。バリア機能そのものを肩代わりする保護膜が必要になります。

効果的な保湿は単に水分量を上げればいいというわけではなく、最終的に肌のバリア機能がどれほど改善されたか、言い換えれば、肌がどれほど安心できるようなコンディションになっているか、で決まるのです。

大切なのは肌がどう思うか

保湿をするときは常に肌の立場になって考える必要があります。私たちにとって気持ちいいかどうかではなく、肌にとって安心できる環境かどうかが問題なのです。

例えば、私たちの感覚だけで言うと、油性化粧品よりも水性化粧品のほうがつけていて心地よいです。べたつきませんし、つけた途端に肌がしっとりするからです。しかし、肌にとっては保護力の高い油分のほうがありがたいのです。

化粧品そのものは洗顔をすればどうせ洗い流されます。つけているあいだ肌を安心させ、それによって肌自身の保湿力が少しでも回復していなければ、肌の乾燥を一時的にごまかすだけの意味のない保湿になってしまいます。

2)乾燥肌の保湿に必要な3つのアイテム

乾燥肌保湿の3種の神器

肌にとって最高の環境を作るために必要になるのは以下の3アイテムです。

  • 化粧水…必須ではありませんが、使うと保湿効果が底上げされます。
  • 保湿クリーム・乳液…乾燥肌には必須です。
  • 加湿器…空気の乾燥する冬や冷暖房空間には必須です。

これらが乾燥肌の保湿のための基本セットになります。できるだけ3点揃えるようにしましょう。保湿クリームと乳液はどちらか一つあれば十分です。

保湿化粧品にはもう一つ美容液がありますが、それについてはお好みで構いません。美容液は化粧水の強化版のようなものですが、保湿効果だけを考えるなら化粧水と油性化粧品が一つあれば十分でしょう。

それでは、以下それぞれの役割と適切な使い方について詳しく解説していきます。

3)本当に効果的な保湿のやり方

肌にとって最高に快適なコンディションを整えるための保湿のやり方です。「化粧水」「保湿クリーム・乳液」「加湿器」の3つを順番に見ていきます。

1-化粧水

化粧水

化粧水は基本的に水分と保湿剤から構成されます。化粧水は保湿に必須とまでは言えませんが、あったほうがより効果的な保湿をすることができます。

化粧水の役割(1)肌の表面を柔らかくする

化粧水の第一の役割は、肌の表層に潤いを与え、肌の表面を柔らかく整えることです。肌にはもともとアミノ酸などからなる水溶性の保湿成分(NMF)が存在します。しかし、乾燥肌ではこのNMFの量が激減しています。

そのため、肌はすぐに水分を失い、角質が硬化してめくれ上がって表面がカサカサになります。これでは肌は安心して代謝をすることができません。水分と保湿成分を与えることで肌の表層を柔らかくし、整えることが必要です。

化粧水の役割(2)油性化粧品による保湿効果を底上げする

保湿全体から見たときの化粧水の役割は“縁の下の力持ち”的なポジションです。保湿の主役はクリームや乳液などの油性化粧品です。しかし、それらの前に化粧水を使うことによって保湿効果を大きく底上げすることができます。

肌に隈無く保湿成分を行き渡らせることができるのは、成分のほとんどが水でできている化粧水だけです。油性化粧品の前に化粧水を使っておくと、まるで布団の下に湯たんぽを忍ばせておくような相乗効果が得られます。

洗顔後できるだけ早めに保湿する

同じように基礎化粧品を塗る場合でも、洗顔や入浴の5分後につけるのと30分後につけるのとでは保湿効果に差が生まれることが知られています。保湿をするのが早ければ早いほど高い保湿効果が得られるのです。

洗顔直後・入浴直後は肌が水を吸っています。この状態で保湿をすると、化粧品に含まれる保湿成分が肌に浸透しやすくなります。乾いたスポンジにインクを垂らすのと、濡らしたスポンジに垂らすのとでは、インクの広がり方がまるで違ってくるのは想像に難くないでしょう。

「化粧水だけ」は保湿にならない

化粧水はその後の油性化粧品とセットで使ってこそ効果を発揮するものです。化粧水には水分が多く含まれているため、つけた途端に肌が潤った感じがしますが、化粧水単体で見たときの保湿能力はそれほど高くありません

油分を嫌って「保湿は化粧水だけで済ませる」という人もたまにいますが、それではほとんど保湿効果はないに等しいと思ってください。

どのような化粧水を選ぶべき?

化粧水は肌への浸透性が高いだけに、肌の状態に合う合わないがはっきりと分かれるアイテムです。乾燥肌に刺激の強い化粧水を使ってしまうと、肌が反応してピリピリしたり赤みを帯びたりすることもあります。

乾燥肌に適した化粧水の選び方については「乾燥肌におすすめの化粧水」のほうにまとめてあります。具体的な商品名も挙げているので参考にしてみてください。

2-保湿クリーム・乳液

保湿クリーム

保湿クリームや乳液などの油性化粧品は保湿の主役であり、乾燥肌には必須のアイテムになります。

油性化粧品の役割(1)エモリエント効果

オイルを肌に塗っておくと、つけた直後は変化がありませんが、時間の経過とともに肌の水分量がじわじわと上昇してきます。オイル自体には水分が含まれていないにも関わらず、です。

肌の表面からは常にごくわずかな量の水分が蒸散しています。これを「経表皮消失」と言います。肌の表面に油分を塗っておくと、経表皮消失が妨げられて蒸発するはずだった水分が肌に蓄えられていきます。

このような効果をエモリエント効果と呼びます。布団が温かいのと同じ理屈ですね。布団それ自体は熱を持っていませんが、体から発散する熱を閉じ込めるので温かくなります。

化粧水のほうが即座に肌が潤った感じがしますが、持続的な保湿効果では油性化粧品のほうが断然上です。塗っている限り、肌は水分量の高い状態をキープすることができ、肌にとって非常に有利な環境が整います。

油性化粧品の役割(2)保護剤として

油性化粧品は単に肌の水分量を高めるだけではなく、弱った肌をあらゆる刺激から守る保護膜としても働きます。これは油分にしか担えない役割であり、肌を安心させるために非常に大切な要素です。

もともと肌には皮脂という保護膜があります。肌のバリア機能が低下すると皮脂の分泌が増えて肌を守ろうとしますが、皮脂の保護能力はそれほど高くありません。弱った乾燥肌にとっては焼け石に水です。

油分の多いクリームなどで肌を手厚く保護してあげると、肌は大分楽をすることができます。そうして生まれたゆとりが肌の回復力を遺憾なく発揮させるのです。

乳液よりも保湿クリームのほうが保湿効果は高い

保湿クリームと乳液の最大の違いは、油分と水分の比率です。乳液は保湿クリームと化粧水の中間的アイテムだと考えればいいでしょう。

乳液は水分が多めなのでサラッとしていますが、油分が少ないので保湿&保護能力としてはクリームに劣ります。乾燥肌の人はしっかりと保湿&保護ができるクリームのほうを選んだほうがいいでしょう。

どのような保湿クリームが効果的?

保湿クリームの効果は油分によるものなので、クリームであればどのような商品でも最低限の働きはすると考えてもらって良いです。

ただ、保湿クリームは基剤の性質上、乾燥肌の改善にきわめて効果的な成分(後述するセラミドなど)を配合しやすく、商品の種類によっては大きな改善効果が期待できます。具体的な商品名などは「乾燥肌の人におすすめの保湿クリーム」にまとめてあるので参考にしてみてください。

3-加湿器

加湿器

室内にいる間は、加湿器を使うことが最強の乾燥対策です。顔の肌だけでなく全身の肌に保湿効果があるため、肌が乾燥しやすい人は是非とも加湿器を利用するようにしましょう。

化粧水よりもこちらを優先すべき

化粧水を使っている女性は多いのに、加湿器が家にない人が多いのは不思議なことです。部屋に置いておくだけで乾燥肌にとって過酷な低湿度環境を打破してくれる優れ物です。

仮に化粧水が湯たんぽ、保湿クリームが布団だとすれば、加湿器はストーブに当たります。持ち運びはできませんが、加湿空間にいる限りは劇的なほどの保湿効果が望めます。夏と冬の肌状態の差を思い返してください。

家にいる時間の短い人でも、寝室に置いておけば翌日の朝の肌状態がまるで違ってきます。就寝中の時間は肌にとってストレスが少なく、保湿力を回復するのに絶好の機会です。もし現時点で加湿器を使っていないのであれば、しばらく化粧水代をカットしてでも用意することをおすすめします。

加湿器が手元にないときは濡れタオルを干す

加湿器が手元にない場合は、濡らしたタオルを部屋のどこかに干しておきましょう。そうするだけで室内の湿度を多少上げることができます。定期的に取り替えなければいけませんし、加湿器の性能には適いませんが、一応の代用品にはなります。

4)乾燥肌にはセラミドが効果的

セラミド

最後に、乾燥肌対策を語るなら言及しないわけにはいかない「セラミド」という成分について解説します。美容業界ではもちろん、皮膚科治療の領域でも効果が高く評価されている成分なので、一度は耳にしたことがあるかもしれません。

通常、化粧品に使われている成分をうんぬんすることにはそれほど意味がありません。というのも、化粧品は料理と同じで最終的な完成度がすべてであり、材料の一つだけを取り上げて「あれがいい」「これがいい」と言っても仕方がないからです。

しかし、セラミドだけはちょっと例外的です。セラミドは保湿剤に分類されるものの、他の保湿剤とは機能的に異なる働きをし、乾燥肌に使用したときの改善効果がずば抜けて高いのです。

セラミドとは?

セラミドはもともと肌に存在する成分です。肌表面の角質層には「細胞間脂質」と呼ばれる保湿成分が存在し、角質の隙間をセメントのように埋めています。その細胞間脂質の主成分がセラミドです。

細胞間脂質(セラミド)は、肌の水分保持の主役であり、同時にバリア機能の主役でもあります。要するに、肌にとってもっとも重要な成分がセラミドなのです。

セラミドの乾燥肌の改善効果が高い理由

単純に保水力という点だけで言えば、セラミド以上の成分はたくさんあります。しかし、皮膚科医や化粧品メーカーが行った実験などで、実際に肌にいろいろな成分を塗って比較すると、セラミドを塗った肌がもっとも改善が見られることが知られています。

これは、セラミドが単なる保湿や保護だけでなく、肌バリアの補修効果を有しているためです。わかりやすく言うと、セラミドは肌にとっていちばん安心して代役を任せられる成分なのです。肌にもともと存在していてバリア機能の主役を担う成分ですから、当たり前と言えば当たり前かもしれません。

皮膚科医向けの書籍『スキンケア最前線』の中でも、単なる保湿剤とセラミドのようなバリア補強剤を区別することの重要性が強調されていました。肌にとってはバリア機能がいちばん重要ですから、それを補うことができるセラミドは肌をもっとも効果的に回復させるのです。

一定以上の配合量でないと効果は得られない

いくらセラミドが優れた成分であると言っても、一定以上の配合量でなければ期待するような効果は得られません。最近では、セラミドの評判が高まっただけに、ごくわずかだけ配合して「セラミド配合」を謳う商品が増えています。

セラミド配合量の多い化粧品を知りたい方は「おすすめのセラミド化粧品まとめ」のほうにまとめてあるので参考にしてみてください。セラミド効果をしっかり体感できるものをピックアップしています。

まとめ:保湿で肌に最高の環境を

乾燥肌を改善するための正しい保湿の方法を見てきました。

ポイントを簡単にまとめると以下のようになります。

  • 保湿で快適な環境を作ってあげると肌の保湿力は育つ
  • 化粧水・保湿クリーム・加湿器の3アイテムで最高の環境を
  • より高い改善効果を得たいならセラミドを試してみる

化粧品の力を借りて上手に保湿を行えば、肌が自力で回復する上で最高の環境が整います。すると、それまで眠っていた肌本来の回復力が余すところなく発揮され、肌の保湿力が日に日に育っていきます。

あとは時間の問題です。肌(表皮)の代謝は早いので、1ヶ月ほど経つ頃から肌が変わってきます。薄っぺらくなっていた肌が徐々にふくらみはじめ、肌が乾燥しにくくなったのを実感することができるでしょう。

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