クレンジングオイルは肌に悪いからやっぱりダメ!二度と使いたくなくなるクレンジングオイルの「不都合な真実」

クレンジングオイルのイラスト

クレンジングを使っている、もしくは使おうと考えているけれど、

「クレンジングオイルは肌に悪いから使っちゃダメ!」

という話を聞いて心配になったことはありませんか?

ネットで調べてみても賛否両論があって、判断がつかないという人も多いと思います。

この記事では、クレンジングオイルが専門家の間でどのような評価を受けているのかを確認してから、なぜクレンジングオイルはここまで肌に悪いと言われているのかを説明していきます。

まあ結局言いたいことは、

「クレンジングオイルは肌に悪いから使っちゃダメ!」

ということなんですけどね!

クレンジングオイルを使おうとしている人の心を折るべく、クレンジングオイルがいかに肌に悪いかを力説していきます!

「クレンジングオイルは肌に悪い」はもはや定説

まずは専門家の意見から見てみましょう。

手元にある美容関連の書籍からクレンジングオイルについて書かれている箇所をいくつか拾ってみます。

まずはみんな大好き、美容皮膚科医の吉木伸子氏から。

「最近はオイルタイプのクレンジング料が主流ですが、これは洗浄力の強いものが多く、毎日使うと肌を傷めることがあります。油分を大量に含むので、メイクアップ料とのなじみはよいですが、それを落とすための界面活性剤も多量に必要になるからです。」
吉木伸子『スキンケア基本事典』p53

皮膚科医の北原東一氏は、ずばり「オイルクレンジングは使うな」という節を設けています。

「患者を診ていてオイルクレンジングによるトラブルの多さを実感している皮膚科医は多いはず」
「数あるクレンジング剤の中でもオイルタイプは、トラブルが多い」
北原東一『誤解だらけのスキンケア』p60

皮膚再生医療専門医の北條元治氏。

「クレンジング剤は界面活性剤の含有量が比較的少ないクリームタイプやミルクタイプ、洗顔料は石けんタイプがおススメです。オイルタイプのクレンジング剤にはたくさんの界面活性剤が含まれているので気をつけてください。」
北條元治『妻の化粧品はなぜ効果がないのか』p44

美容科学の専門家である小澤王春氏。

「合成界面活性剤30~40%を水に溶かした台所用洗剤と、10~20%の合成界面活性剤を油に溶かしたクレンジングオイル。見かけは違っても中身は同じ」
小澤王春『バカがつける化粧品』p4

などなど。このような記述はいくらでも出してこれます。

もはや美容本には「クレンジングオイルはダメ」と書いてあるのがデフォルトという感じすらあります。

化粧品や皮膚科学に詳しい人からすれば「使っていいよ」とGOサインを出すわけにはちょっといかないクレンジングなのですね。

なぜクレンジングオイルは肌に悪いと言われるのか?

クレンジングオイルがここまで肌に悪いと言われる理由は、その成分構成にあります。

メイクを落とすためには「油分」「界面活性剤」のどちらかが必要です。クレンジング剤はこのどちらか(もしくは両方)を必ず一定量含んでいます。

※この文脈では「界面活性剤=洗剤」だと考えてください。

クレンジング剤は「油分」と「界面活性剤」(それから「水」)の配合比率によって様々なタイプに分かれ、肌に良い悪い、肌に合う合わない、などがでてくるわけですね。

そして、クレンジングオイルは、油分の量も、界面活性剤の量も、どちらも全クレンジング中トップなのです。

そのため、メイク落ちは最強です。落ちにくいマスカラでもウォータープルーフの日焼け止めでも、なんなく溶かしてしまいます。

しかし、肌の潤い成分やバリア成分もなんなく落としてしまうので問題なのですね。

クレンジングオイルはクリームの3.75倍も肌が乾燥する?

クレンジングオイルとは、何かしらのオイルに10~20%の界面活性剤を混ぜたものです。

この「10~20%の界面活性剤」がそうとう肌に悪いわけです。

「クレンジング剤の主成分は、界面活性剤。油性のメイクが一瞬で落ちるほど強力です。肌を乾燥から守る細胞間脂質、NMFもひとふきで落ちてしまいます。」
宇津木龍一『化粧品を使わず美肌になる!』p50

『「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法』で有名になった宇津木龍一氏の言葉です。宇津木氏はクレンジング剤は全部ダメ!という立場なので、オイルに限定した発言ではありませんが、クレンジングオイルに関してはまさにこれが当てはまります。

界面活性剤は油を溶かして水に流すための成分です。セラミドなどの細胞間脂質も「脂質=油」ですから、メイクと一緒に溶かしてしまうわけです。

細胞間脂質が溶かされれば、天然保湿因子(NMF)もダダ漏れになりますし、肌の水分もどんどん逃げていきます。

元化粧品開発者の小西さやか氏の著作に、研究者らしい面白いデータが載っていたので紹介しておきましょう。

クレンジングクリームとクレンジングオイルを使った後に、水分蒸散量(肌から蒸発していく水分量)を計測して比較した実験です。

それによると、

「オイルのほうがクリームより約3.75倍水分蒸散量が多かったという結果が出ています。つまりクレンジングオイルのほうがクレンジングクリームより約3.75倍乾燥しやすいということなのです。」(強調は原文)
小西さやか『なまけ美容入門』p20

これは、クレンジングオイルの使用によって、セラミドなどの細胞間脂質が失われたことを意味しています。

毎日こんなことを繰り返していれば、徐々に肌の保湿力が衰えて、乾燥肌になるのは目に見えています。もちろん、肌の乾燥の先には、ありとあらゆる肌トラブルが待ち構えています。

肌に優しいクレンジングオイルは存在しない?

クレンジングオイルに関しては、その昔、とある美容ブロガーさんが“敗北宣言”をしていたのが非常に印象に残っています。

簡単に要約すると「どうしてもクレンジングオイルが使いたくて片っ端からジプシーしてきたけど、もう敗北を認めて別のクレンジングを使うことにする」というものでした。

クレンジングオイルはその便利さからファンが多く、肌に悪いと知りながらも、「きっと肌に優しいクレンジングオイルもあるはず…」という淡い期待を抱いている人も少なくありません。

ですが、そのブロガーさんが最終的に結論づけたように、「肌に優しいクレンジングオイルなんて存在しない」のです。そして、それにはちゃんと理由があります。

界面活性剤の配合量を減らすことができない

「界面活性剤が肌に悪いなら、量を減らせばいいのでは?」と思うかもしれませんが、それはできない相談です。

なぜなら、界面活性剤の量を減らすと大量のオイルが肌に残ってしまうためです。

実は、クレンジングオイルに混ぜられている界面活性剤は“メイクを落とすために”配合されているわけではありません。そうではなく、オイルそのものを洗い流すために配合されています。

料理をする人ならわかると思いますが、オイルがべったり手につくと洗い流すのが大変です。水ですすぐだけではヌルヌルが取れませんし、肌を擦らずに落とすのは至難の業です。

クレンジングオイルは顔の肌にべっとり塗りつけます。もはや油物に使った後のフライパン並みにギットギトの状態です。

これをパシャパシャ水をかけるだけで洗い流せるようにするためには、大量の界面活性剤を混ぜておくことがどうしても必要になります。

もしオイルが多量に肌に残ることになれば、肌荒れにつながりますし、ニキビなどもできやすくなります。

クレンジングオイルには、界面活性剤を減らしたくても減らせない理由があるのです。

植物性オイルを使いにくい

植物性オイルをメインで使っている商品ならマイルドだよ!と言われることもあります。

しかし、植物性オイルはクレンジングには使いにくい油脂成分です。

まず、メイクとの馴染みがガクッと落ちます。これはメイク料の材料になっているのは合成オイルのほうだからですね。それから、植物性オイルは肌に浸透しやすいオイルなので、溶かしたメイク料を留めておく保留性能も低くなります。

それ以上に厄介なのは、植物性オイルが肌に残りすぎると肌荒れを起こしやすいことです。

植物性オイルは「トリグリセリド」という成分からできているため、酸化しやすく、また菌の餌にもなりやすいです。ニキビの原因菌であるアクネ菌の大好物ですし、人によっては脂漏性皮膚炎などにもつながりかねません。

合成オイルであればちょっとくらい肌に残っても問題ありませんが、植物性オイルになると肌荒れを起こす可能性がグンと高くなるのです。

クレンジングオイルはもともと肌にオイルが残りやすい形態です。そのため、大半の商品で植物性オイルを避けて合成オイルを使っているのです。

「マイルド」と書いてあっても多少マシな程度

界面活性剤を減らせない、植物性オイルも使いにくい、その上、オイルに界面活性剤を混ぜたシンプルな構成なので工夫する余地があまりない……と、クレンジングオイルは割と逃げ場がない感じなのです。

「マイルド」を冠している商品でも“クレンジングオイルの中では”多少マシな程度と考えましょう。

少なくとも現時点では、肌に優しいクレンジングオイルなんて存在しない!と言い切ってしまっていいと思います。

※水洗できなくてもいいのであれば、界面活性剤を一切使っていないこういった商品もあるにはあります。ですが手間がかかることを考えれば、そこまでオイルにこだわらなくてもクレンジングクリームでいいじゃないかという気もしますね。

オイルクレンジングをやめると肌がキレイになる人はとても多い

管理人は、口コミサイトなどを見て回るのがライフワークになっています。

クレンジングの口コミもいろいろ調べているわけですが、そこで以下のようなフレーズを非常によく目にします。

「クレンジングオイルを愛用していましたが、肌に悪いと聞いたので、こちらの商品を使いました。結果、肌がキレイに/毛穴が目立たなく/ニキビができにくく/肌が乾燥しなくなりました」

口コミをよく調べる人であれば、一度や二度どころではなく目にしたことがある文章だと思います。もはや定型文と言ってもいいくらいです。

口コミに限らずとも、「クレンジングオイルをやめて別のクレンジングにしたら肌がキレイになった」という人はものすごく多いです。

美容研究家の岡江美希氏も『美人肌のヒミツ』の中で同じような実体験を述べています。

「肌トラブルの原因はオイルクレンジングだった」という章を設けて、クレンジングオイルをやめて肌が劇的にキレイになったときのことを述懐して、

「私の顔の黒ずみ、乾燥、毛穴の開きの元凶は、オイルクレンジングだったのでありました」
岡江美希『美人肌のヒミツ』p42

と述べています。

以上のような「クレンジングオイルをやめたら○○」という定型文の存在は、どれほどクレンジングオイルが肌に悪いのか、どれほどキレイになろうとする肌の足を引っ張っているのか、を如実に示すものです。

たまに、毛穴の開きや黒ずみを解消したいからクレンジングオイルを使っているという人もいますが、これも完全に逆効果ですね。

管理人は今までの経験から、「クレンジングオイルをやめる」という美容法に勝るものはないと思っています。なので、肌の悩みがある人には必ず最初にクレンジングオイルをやめるように勧めています。

クレンジングオイルは毎日使ったらダメ!ピンポイントで使うべき

別にクレンジングオイルを絶対に使うな!と言いたいわけではありません。

例えば、強力なウォータープルーフの日焼け止めを使ったときや、非常に落ちにくいポイントメイクを使っているときなど、どうしてもクレンジングオイルの洗浄力が必要な場合もあるでしょう。

ただ、クレンジングオイルを使うにしても、以下の引用で言われているように“どうしても必要なとき”に限定して使うようにしましょう。

「クリームや乳液タイプに比べて少し刺激が強いので、乾燥肌や敏感肌の人は、使用頻度を調整する必要がある」
「クレンジングオイルは、自分の肌状態やメイクの濃さに合わせて必要なときだけ、必要な部分だけ、というふうにピンポイントで使うのがおすすめ」(強調は原文)
小西さやか『なまけ美容入門』p21

「界面活性剤を多く含むため、サラッと簡単に落ちるのが人気の理由。そのぶん肌ダメージも大きい。使用するのは、とくにメイクの濃い日だけに限定したい」
吉木伸子他『正しいスキンケア事典』p49

クレンジングオイルは「肌に負担がかかるけれど何でも落としてくれる」という特殊なクレンジングだと考えたほうがいいです。万能リムーバーのようなイメージですね。

特に「他のクレンジングでもベースメイクは落ちるけど、ポイントメイクが落ちない」という場合、必ずクレンジング剤を使い分けるようにして、顔全体にクレンジングオイルを使わないようにしましょう。そうでないと、ほんの一部のメイクを落とすために肌全体を犠牲にすることになります。

もしクレンジングオイルを毎日のように顔全体に使っていたら、キレイな肌でいられることのほうが不思議なくらいです。

いちいち使い分けるのは面倒に思えるかもしれませんが、ちょっとした手間をかけるだけで、どれほど肌のためになるかわかりません。

クレンジングオイルの代わりになりそうなものは?

クレンジングオイルの代わりに使うとしたら、どのクレンジングがいいのでしょうか?

第一候補:クレンジングクリーム

保湿クリーム
クレンジングクリームは、すべてのクレンジングの中でもっとも界面活性剤の配合量が少なく、メイク落ちがいいのに肌にも優しいクレンジングです。

オイルと同じ「油分で落とす」タイプのクレンジングですが、クレンジングクリームになると一気に界面活性剤の量が減ります。オイルが約10~20%、クリームが約5~10%ですから、約半分にまで激減します。

記事の冒頭で挙げた引用の中にも、クレンジングオイルを否定すると同時にクレンジングクリームを勧めているものがいくつかありましたが、その裏にはこういった事情があるわけです。

クレンジングオイルの次にメイク落ちが良いので、しっかりめのメイクでもキレイに落とすことができます。

第二候補:クレンジングミルク

ミルク
「クレンジングクリームは面倒くさいからイヤ」という人には、多少クレンジング力は落ちますが、クレンジングミルクをおすすめします。

メイク落ちは若干物足りなくなりますが、ベースメイク程度なら十分に落とせます。ポイントメイクだと落ちないものも増えてきますが、その場合はピンポイントでクレンジングオイルを使うか、リムーバーを使いましょう。

ミルクタイプの良いところは、クリームのような手間がかからず、オイルとそれほど使い勝手が変わらないところです。

ただし、クレンジングミルクは商品によって内容が大分変わるので、選ぶときは中身をよく確認しましょう。水っぽいものだとメイク落ちがひどく悪くなります。

それ以外は?

水ベースのリキッドやジェルになると、クレンジング力が格段に落ちるので、役不足な可能性が高いです。界面活性剤の量も多めであり、そこまで肌に優しくもないので、わざわざ選ぶメリットは少ないでしょう。

ジェルクリームタイプ(ジェルにオイルを足したもの)ならメイク落ちがちょっと良くなりますが、あまり数がありません。

もともとクレンジングオイルを使っていたとなると、きっと落ちにくいメイクを使っているはずなので、クリームかミルクあたりにしておくのがいいと思います。

まとめ

以上、「クレンジングオイルは肌に悪い」という事実をひたすら確認してきました!

もちろん、肌には個人差がありますし、生まれつき肌が丈夫で何をしようとキレイなままでいられるような人も存在します。そういった人が、するんとメイクを落としてくれるクレンジングオイルを気に入るのはわからないでもありません。

ですが、何かしらの肌トラブルを抱えていたり、肌の乾燥やテカリに悩んでいたりする人、自分の肌状態にイマイチ満足していない人──そういった人はクレンジングオイルを使わないほうが幸せになれます。

クレンジングオイルを使ったときに直接的な乾燥感などを覚えなくても、肌に負担がかかっていることは往々にしてあります。オイルを少し肌に残すような作りにすれば、クレンジング後の乾燥感は紛れますが、それは肌の保湿成分などが失われたかどうかとは関係のない話なのです。

もし肌の不調の原因がクレンジングオイルであった場合、「脱・クレンジングオイル」をするだけで、まるで肌荒れの過程を逆再生するかのごとく肌が本来の姿を取り戻していきます。

疑問を持ったが吉日です!ぜひ「脱・クレンジングオイル」を目指しましょう。

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