クレンジングジェルとは?クレンジングジェルの種類と特徴まとめ

クレンジングジェルのイラスト
「クレンジングジェルは肌に優しい」
「クレンジングジェルは油分が少ない」
「クレンジングジェルならマツエク中でも使える」

などと言われることがありますが、それらはジェルの種類次第です。

一口に「クレンジングジェル」と言っても、水性ジェル・油性ジェル・オイルジェルなどの違いがあり、ジェルの種類によって中身はまったく変わってきます。

この記事では、クレンジングジェルの種類と特徴をまとめました。

それぞれの特徴と違いを理解した上で、自分に合ったクレンジングジェルを選べるようになりましょう!

クレンジングジェルとは?

クレンジングジェルは「プルプル」「とろ~ん」と不思議なテクスチャーをしています。

いったいどのような作りになっているのか簡単に見ておきましょう。

クレンジング剤をジェル状に固めたもの

簡単に言えば、クレンジング剤でゼリーを作ったのがクレンジングジェルです

これは図を見てもらった方が理解が早いでしょう。

クレンジングジェルのレシピのイラスト

はい、完全にゼリーですね!

「ゲル化剤」は液体を固めて半固体(=ジェル)状にするための成分です。

世界でいちばん有名なゲル化剤は「ゼラチン」です。ゼラチン(gelatin)という綴りの中にジェル(gel)がありますね。

ゲル化剤で固めたお菓子をゼリーと呼ぶように、ゲル化剤で固めたクレンジングをクレンジングジェルと言います。語感でわかると思いますが、ゼリーもジュレもジェルもゲルも同じ意味の言葉です。

化粧品の場合は、ゼラチンではなく、カルボマーや○×△ポリマーなどの水溶性ポリマーが使われます。

「水溶性ポリマー」とは?
「ポリマー=肌に悪い」というイメージを持っている人もいますが、分子量が大きく肌に侵入するようなサイズではないので、肌にとっては無害な成分です。ゼラチンも寒天も片栗粉もポリマー、コラーゲンもヒアルロン酸もポリマーです。

それから、もう一つ。
ゲル化剤を加えてジェル状にするのではなく、粘性の高い保湿剤を大量に投入することでジェル状にしているものもあります。グリセリン・DPG・ソルビトールあたりですね。この方法だと「プルプル」ではなく「とろ~ん」系になります。

まあこの辺りはテクスチャーの「ジェルっぽさ」の出し方が変わるだけで、クレンジングとしての性質が変わるわけではありません。豆知識として。

クレンジングジェルは種類によって別物になる

「クレンジングジェル」という分類は内容によるものではなく、テクスチャーの形状による分類です。

中身が何であれ、ジェル状に固められていれば「クレンジングジェル」と一括りにされてしまいます。

しかし、当然ながら「何を固めたのか?」によってクレンジングとしての性質はまったく違ってきます。

そのため、クレンジングジェルを選ぶときには、それがどのような種類のジェルなのかを把握することが大切です。

次章でクレンジングジェルにはどのような種類があるのかを見ていきましょう。

クレンジングジェルの種類と特徴

クレンジングジェルには大きく分けて以下の4種類があります。

1,水性ジェル(オイルフリー)
 ……油分ゼロ、界面活性剤多め
2,水性ジェル(オイルイン)
 ……油分少なめ、界面活性剤多め
3,油性ジェル
 ……油分多め、界面活性剤少なめ
4,オイルジェル
 ……油分多め、界面活性剤多め

基本的には、下に行くほど油分が多くなり、メイク落ちも向上していきます。

それでは、以下それぞれのタイプの特徴やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。例として具体的な商品名も挙げていきます。

1,水性ジェル(オイルフリー)

水性ジェル(オイルフリー)クレンジングのイラスト

オイルフリータイプのクレンジングジェルです。テクスチャーは無色透明になります。

油分をいっさい含まないので、メイク落ちの効率は非常に悪いです。

毛穴や皮溝にメイクが残りやすく、軽いメイクの人以外にはおすすめできません。

マイルドな作りにしようとするとメイクがろくに落ちません。逆に、メイク落ちを何とかしようとすると界面活性剤の量が非常に多くなり、肌に大きな負担がかかってしまいます。

また、完全に「洗浄剤の力でメイクを溶かす」タイプのクレンジングなので肌が乾燥しやすいのも特徴です。乾燥肌や敏感肌の人には向きません。

いくら「オイルフリー」とはいえ、よほど薄いメイクの人でないと満足のいく商品には出会えないでしょう。

基本的には、マツエクをしていてオイル成分をどうしても避けなければならない人用です。特別な事情がない限りはおすすめできません。

<メリット>
・オイルフリーなのでマツエクをしていても安心して使える

<デメリット>
・メイク落ちが非常に悪い
・メイク落ちが良いものは界面活性剤の量が多い
・肌が乾燥しやすい

実例

ビオレ メイク落とし しっかりクリアジェル
オイルフリーですが、メイクはよく落ちます。しかし脱脂力がかなり強く、クレンジング後の肌が乾燥します。肌に負担の大きいクレンジングジェルです。

2,水性ジェル(オイルイン)

水性ジェル(オイルイン)クレンジングのイラスト

1のオイルフリータイプに少量の油分を追加したものです。

現在はこのタイプのクレンジングジェルが主流です。「クレンジングジェルは○○!」と言われるときには、このタイプのジェルを指していることが多いです。

完全にオイルフリーだといくら何でもメイク落ちが悪すぎるということで、少量の油分を加えてメイクとの馴染みを改善しています。

追加される油分としては、シリコーンオイルは外せないといった感じです。水ベースのジェルだとシリコンに思いっきり弾かれるので、少しでも入れておかないとシリコン系のメイクや日焼け止めにまったく太刀打ちできないのです。

まあ強力なウォータープルーフの場合は、どのみちジェルでは落とせませんけどね。

がっつりメイクは厳しいですが、ナチュラルメイク程度なら落とせるものが多くなってきます。メイク落ちの良すぎるものを避ければ、肌への負担もそこまで大きくありません。

油分を追加していると言っても、オイル・クリーム・ミルクなどに比べると油分量は圧倒的に少なく、「油分が少ない」という水性ジェルのメリットは維持しています。たいていは10%未満の配合量でしょう。

「オイル成分が苦手」という理由でクレンジングジェルを選ぶなら、このタイプを選んでおくのが得策です。

マツエクをしている場合でも、特別に油分が多いものでなければ、ほとんど影響しないと思います。

ただし、肌の乾燥を招きやすいのは相変わらずなので、乾燥肌の人には向きません。乾燥肌の人はクリーム・ミルク・油性ジェルなどの肌に優しいクレンジングを使いましょう。

<メリット>
・油分が少ないのでニキビ肌や脂漏性皮膚炎の人には向いている
・ナチュラルメイクなら落とせるものが多い
・(オイルやリキッドに比べると)肌に優しい

<デメリット>
・メイク落ちはあまり良くない
・メイク落ちが良いものは界面活性剤の量が多い
・(クリームやミルクに比べると)肌が乾燥しやすい

実例

オルビス クレンジングジェル【Pick up!】
1201020_800_1

ジメチコン(シリコーンオイル)を使っているのでオイルフリーと言えるかどうかは微妙なところです。とはいえ、ごく少量なのでマツエクへの影響は心配ありません。洗浄力はジェルとしては標準的です。「油分が少ない」というジェルの長所を活かした、バランスの良い商品だと思います。私がジェルを使うならこれを選ぶでしょう。

キュレル ジェルメイク落とし
洗浄力は標準的。こちらもバランスが良い気がします。それでもナチュラルメイク向けになります。

無印良品 マイルドジェルクレンジング
ジェルにしては洗浄力がかなり強め。界面活性剤の量が非常に多く(水より多い!)、刺激が強いです。肌も乾燥します。間違っても「マイルド」ではないジェルです。

資生堂 dプログラム マイルドクレンジングジェル
敏感肌用。界面活性剤の量が少なめで肌には優しいですが、メイク落ちはかなり弱いです。薄化粧向けです。

3,油性ジェル

油性ジェルクレンジングのイラスト

油分と水分が半々程度になったタイプのクレンジングジェルです。要は、クレンジングクリームをジェル状に固めたものだと思ってください。

「油分が少ない」という点を売りにしている水性ジェルとは打って変わって、油分量はクリーム並みに多くなります。

その代わり、メイク落ちはかなり優秀です。界面活性剤の使用量も少なく、肌にもマイルドです。

性質はクリームクレンジングとほとんど同じです。転相(メイクと馴染むとふっと軽くなる現象)も存在します。

水性ジェルがニキビ肌などに向いているのに対し、油性ジェルは乾燥肌や敏感肌の人に向いています。

クレンジングとして優秀なことは優秀なのですが、ジェルと言うよりは、クレンジングクリームの亜種と捉えるべきでしょう。

<メリット>
・メイク落ちが優れている
・界面活性剤の量が少なく肌に優しい
・肌が乾燥しにくい

<デメリット>
・オイル成分が少ないというメリットはない

実例

イヴデュフラン モイスチャークレンジングジェル
転相型のクレンジングジェルです。無色透明ですが、油分量はかなり多いです。メイク落ちもクリーム並みにあります。

アスタリフト クレンジングジェル
こちらも転相型です。メイク落ちが良く、肌にも優しいです。非常に強い抗酸化作用を持つ「ヘマトコッカスプルビアリス油」を配合しています。アンチエイジング化粧品ですね。

4,オイルジェル

オイルジェルクレンジングのイラスト

成分の大部分がオイルからなるタイプです。要は、クレンジングオイルをジェル状に固めたものです。

性質はクレンジングオイルとほとんど同じです。メイク落ちは強力ですが、肌に負担の大きいクレンジングになります。

管理人としてはあまりおすすめしません。

<メリット>
・メイク落ちが非常に良い

<デメリット>
・肌への負担が非常に大きい
・オイル成分が少ないというメリットはない

実例

ちふれ クレンジングジェル
肌につけてしばらくするとオイル化するタイプのジェルです。「ジェルが硬すぎる」という口コミが多かったです。

種類別のおすすめできる人・できない人

それぞれの種類がどのような人に向いているのかを簡単にまとめておきます。

水性ジェル(オイルフリー)
○:オイル成分を完全に避けたい人
○:落ちやすくて薄いメイクの人
×:乾燥肌の人

水性ジェル(オイルイン)
○:オイル成分をできるだけ避けたい人
○:ナチュラルメイクの人
×:乾燥肌の人

油性ジェル
○:乾燥肌や敏感肌の人
○:メイクをしっかり落としておきたい人
×:オイル成分を避けたい人

オイルジェル
○:非常に落ちにくいメイクを使っている人
×:乾燥肌や敏感肌の人
×:オイル成分を避けたい人

クレンジングジェルの種類の見分け方

次はクレンジングジェルの見分け方です。

テクスチャーの色や透明度でもだいたいの目安はつきますが、必ずしも正しい判別ができるわけではありません。透明化剤やパール化剤などを使えば、色や透明度はある程度コントロールすることができます。

クレンジングジェルがどのタイプなのかを正確に見分けるためには、「成分表示を確認する」のがいちばんです。

<クレンジングジェルの見分け方>

「オイルフリー」の表記がある
※「鉱物油不使用」などの表記とはまた別です
水性ジェル(オイルフリー)

「オイルフリー」の表記がなく、
成分表の一番上が「水」もしくは「界面活性剤」
水性ジェル(オイルイン)

成分表の一番上が「油」で、かつ「水」も上位にある
「感触がふっと軽くなったらメイク落ちの合図」などの表記がある
油性ジェル

成分表の一番上が「油」で、かつ「水」が上位にない
オイルジェル

※商品が手元にない場合は「商品名 成分表」あたりで検索すれば出てくるはずです。

※よくわからなかったらメーカーに問い合わせてみましょう

まとめ

以上、クレンジングジェルの種類と特徴について見てきました。

クレンジングジェルは基本的にはオイル成分を避けなければならない人向けですね(油性ジェルやオイルジェルなどの変わり種はまた別ですが)。

もしオイル成分をそこまで神経質に避ける必要がないのであれば、クレンジングクリームやクレンジングミルクをおすすめします。ジェルに比べてメイクがよく落ちますし、肌にも優しいですからね。

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