乾燥肌とは?

乾燥肌の本当の原因を知っていますか?

乾燥肌は「水分不足」「保湿不足」などとよく表現されます。もう少し変化をつけて「セラミド不足」と言われることもあります。

これらはどれも間違ってはいないのですが、乾燥肌の本質からは大きく遠ざかっています。

乾燥肌の本当の原因はそんなところにはありません。もっともっと深いところにあるのです。

今回は、乾燥肌対策を正しく行うために是非とも知っておきたい「乾燥肌の仕組み」についてまとめました。

1)乾燥肌とはどのような肌?

乾燥肌は単に「水分の不足した肌」ではありません。

まずは「乾燥肌とは一体どのような肌状態なのか?」を正しく認識することから始めましょう。

肌バリアが機能低下

乾燥肌とは、肌のバリア機能が低下した状態です。

「バリア機能」というと外からの内への侵入を防ぐというイメージが強いかもしれませんが、内から外への水分の蒸散を防いでいるのもバリアの働きです。

肌のバリア機能を担っているのは、肌表面にある角質層です。

乾燥肌では、この角質層がスカスカになって水分を保持することができなくなっています。

健康肌と乾燥肌

健康な肌では角質が整然と並び、肌理も整っています。隙間なく敷き詰められた美しい瓦屋根のようなイメージです。

一方、乾燥肌のほうは、角質があちこちめくれて脱落し、隙間だらけでガタガタになっています。角質の間を埋めている細胞間脂質の量も減少し、全体的に角質層がスカスカになっている状態です。

角質層がこのような状態になっていると、水分を保持することができずに肌が乾燥するようになります。

なぜ肌バリアがスカスカになるのか?

肌バリアが不完全な状態になるのは、バリアを構成する肌細胞(角質細胞)そのものに問題があります。

乾燥肌の人の肌細胞では以下のような症状が見られます。

  • 角質細胞の形が不揃い
  • 角質細胞のサイズが小さい
  • 脱核していない角質細胞が見られる=不全角化
  • セラミドなどの細胞間脂質の産生量低下
  • 角質内のNMF(天然保湿因子)の産生量低下
  • 角質剥離のための分解酵素の不足

つまり、バリアを構成する肌細胞そのものが粗悪品になっているのです。

こうしてずらっと列挙してみると、乾燥肌が単なる「水分不足」「保湿不足」などではないことがよくわかると思います。

もはや水分量が多い少ないという次元の話ではなく、細胞一つ一つのレベルで異変が起きているのが乾燥肌なのです。

乾燥肌に不足しているのは“ゆとり”である

上に列挙した症状を一つ一つ解決するとなると気が遠くなりそうですが、実はこれらはすべてたった一つのことから起因しています。

それは、肌細胞が十分に育つためのゆとりがなかったということです。

乾燥肌を解消する上ではこの“ゆとり”という視点が非常に重要になってきます。

では、「肌のゆとりがない」とは具体的にはどのような状況を意味するのかを次に見ていきましょう。

2)乾燥肌とは“ゆとりを失った肌”のこと

乾燥肌では以下の3つのことが同時に進行しています。

  1. 肌のターンオーバーの昂進
  2. 角質細胞の未熟化
  3. 肌バリアの弱体化

この3要素が悪循環することによって、結果的に肌のゆとりを奪っています。

以下、一つずつ見ていきます。

1.肌のターンオーバーの昂進

肌(表皮)は日々少しずつ細胞が入れ替わっています。

毎日肌表面の角質が剥がれ落ちて垢になります。すると、肌の底にシグナルが届いて、剥がれたのと同じ分だけ新しい角質(になる予定の細胞)が作られます。

このような新陳代謝の働きを肌のターンオーバーと呼びます。

健康肌と乾燥肌では、肌のターンオーバーの早さに明確な違いがあります。

a.健康な肌の場合

図。
健康肌=28日。乾燥肌。

健康な肌の場合、約1ヶ月周期で細胞が入れ替わっています。

基底層で誕生した表皮細胞は成長しながら徐々に上へと押し上げられていきます。表層近くで脱核して角質となり、肌表面でしばらくバリアとして働いた後、最終的に垢として剥がれ落ちます。

健康な肌はこのような新陳代謝のサイクルが安定した状態にあります。

b.乾燥肌の場合

図。
乾燥肌。テンポアップ。

乾燥肌では、肌のターンオーバーのサイクルが早くなっています。

乾燥した肌はバリア機能が弱くてすぐにダメになってしまうため、それを補うために新しい細胞を作り出すスピードを早める必要があるからです。

健康な肌と比べて角質が早く剥がれ落ち、それに応じて角質を生産するペースも早くなっています。

基本的には、乾燥の度合いが激しいほどターンオーバーは加速していきます。

2.角質細胞の未熟化

ターンオーバーが早くなると、必然的に肌細胞が育つための期間が短くなります

肌細胞は生き物であり、角質はその最終形態です。肌表面の角質層が痛んで補充が必要になったからと言って、すぐにポンと作ることができるものではありません。

それでもなんとか細胞の成長を早回しにして無理やり仕上げてしまうのですから「肌ってスゴイ」という話なのですが、同時に大きな弊害も生じます。

時間的なゆとりが失われると、十分に成長しきっていない未熟な角質になってしまうのです。

このような角質はあらゆる点で出来の悪いものになります(具体的にどのように出来が悪いのかは最初の方で列挙した通りです)。

その上、肌の水分保持を担う細胞間脂質やNMFなどは、肌細胞の成長過程で生み出される副産物なので、これらの産生量も減少します。保湿成分まで作っている暇がないのですね。

3.肌バリアの弱体化

未熟な角質によって構成された肌はバリア機能が弱体化します。

ちょっとしたダメージでもすぐに壊れてダメになってしまうのです。

例えば、健康な肌部分を軽く擦っても何ともないですが、乾燥した肌部分に同じことをすると肌表面の角質がボロボロと崩れてきます。

これは物理的な刺激に限ったことではなく、洗顔やクレンジングによるダメージ、化粧品の刺激によるダメージ、紫外線によるダメージ、乾燥によるダメージ……ありとあらゆるダメージに対して肌が弱くなります。

特にバリア機能が低下すると乾燥ダメージが常につきまといます。ただでさえ肌の保湿成分が減少しているため、すぐに水分が蒸発して肌が乾燥してしまうのです。

そうして肌がダメージを受けると、肌はまたもやターンオーバーを早めることでバリアを修復せざるを得なくなります。こうなるともう完全に悪循環ですね。

乾燥肌という「肌質」が出来上がる

  1. ターンオーバーが早いから未熟な角質になる
  2. 未熟な角質だから肌バリアが弱くなる
  3. 肌バリアが弱いからターンオーバーが早くなる

このような悪循環がエンドレスに続いているのが乾燥肌です。

すぐダメになるから早く作る、早く作るからすぐダメになる──このようなギリギリの代謝活動を強いられる“ゆとりのなさ”こそが乾燥肌の真の原因なのです。

一度このような負の連鎖に陥ると、乾燥肌が慢性化します。一年を通して肌バリアが弱く、人よりも肌が乾燥しやすい状態が続きます。

こうなると人は「自分は乾燥肌という体質なのだ」と思い込むようになります。

湿度の高い季節はそれほど気にならなくても、湿度の低い季節になると肌がカサカサして乾燥感を強く覚えます。また、大人ニキビや毛穴の開きなど乾燥に伴うトラブルともつきあい続けることになります。

ここで多くの人が「乾燥肌だから仕方ない…」と諦めてしまったり、化粧水や美容液などで一時的に肌の乾燥をごまかす方向に向かってしまいます。

もちろん遺伝的な素因もゼロではありませんが、ほとんどの人が「肌質」だと認識している乾燥肌は、上記のような悪循環にはまり込み抜け出せずにいる、作られた「乾燥肌」なのです。

3)肌にゆとりを与えられるスキンケアを

乾燥肌を改善するためには、どこかで悪循環に歯止めをかけなければなりません。

そのためには、肌細胞が十分に成長できるように、肌にゆとりを与えてあげることが必要になります。

乾燥肌には意識的なスキンケアが必要

乾燥肌を解消しようと思ったら、スキンケアをかなり意識的にコントロールしなければいけません。

  • 健康な肌を維持するためのスキンケア
  • バリア機能の弱った肌を回復させるためのスキンケア

この2つは似て非なるものです。

健康な肌はもともとバリア機能が高くて好循環にある状態ですので、現状維持は難しくありません。余計なことさえしなければ肌は健康な状態を保てます。

一方、乾燥肌はすでに悪循環のまっただ中にいます。そこからなんとか這い出してこなければいけないわけです。

過保護なくらいに意識して肌の負担を減らしてあげないと、肌の調子が上昇するためのゆとりが生まれません。

基本的に、乾燥肌には乾燥肌用のスキンケアが必要になります。

肌の力を信じてみよう

慢性化した乾燥肌を改善するのは難しいことに思えるかもしれません。

しかし、忘れてはならないことは、バリア機能が低下した状態に肌自身が安住することは絶対にないということです。

ターンオーバーが加速していると言うことは、見方を変えれば、肌はなんとかして肌バリアを治そうとしつづけているということです。

肌にはもともと驚異的な回復力が備わっています。ただ、肌バリアの弱体化にともなって受けるダメージも増加してくるために、修復が追いついていないだけなのです。

事実、肌にゆとりを与えられるようなスキンケアを始めると、肌はものすごいスピードで回復していきます

そしてそれは、肌が突然バリアの修復に乗り出したわけではなく、もともと修復しようと頑張りつづけていた肌の努力が、ようやく報われるだけの環境が整ったからなのです。

乾燥肌の人に必要なのは肌の力を信じてゆとりを与えてあげることです。そうすれば後は肌が勝手にバリア機能を回復させてくれます。

まとめ

乾燥肌の本当の原因がどこにあるのかがわかったでしょうか?

乾燥肌が陥っている現状を正しく把握できれば、後はそれに適ったスキンケアを実践するだけです。

具体的なスキンケア方法に関しては「乾燥肌改善のためのスキンケア」の方にまとめてあります。そちらを参照してみてください。

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